海外ドラマのようなゲーム『ライフイズストレンジ ビフォアザストーム』 前作とセットで完結するストーリーが凄い

PS4 デトロイトに続いてプレイしたのが「ライフイズストレンジ ビフォアザストーム」で、これもプレイしてほんと良かったと思えるゲームでした。

前作、ライフイズストレンジの前日譚。ライフイズストレンジは主人公のマックスが「ほんの少しだけ時間を巻き戻せる能力」を使ってゲームを進めていくというタイムスリップものとしての面白さがありましたが、ビフォアザストームはそういった能力は無く、ただのアドベンチャーゲームとなっています。このあたりで「前作が売れちゃったから、続編は難しい話なので前日譚作ったんでしょ」みたいな勝手な妄想があり、またデトロイトのような超気合い入ったゲームの後にトゥーン調のビフォアザストームはやや見劣りするのもあって、あまり期待せずにプレイした・・・のですが、やっぱり良いですよ。これは。

あらすじ

まずこのビフォアザストームを語るならライフイズストレンジのプレイが必要になります。ライフイズストレンジで主人公のマックスを振り回す親友のクロエが今回の主人公で、そのクロエがどうして荒んでいるのか?を知っていく物語になっていくので、彼女の前作(ビフォアザストームから見て未来)の知識がないと、どうしてそうなっているのかが分かりづらいと思う。そのため、ビフォアザストームを楽しむ為にはライフイズストレンジプレイが必須と言ってもいいでしょう。

そんなクロエ。高校生ですが遅刻、欠勤は当たり前。親にも反抗的でクスリにも手を出す危ない不良娘。そんな彼女なので高校生活は既に破滅的で、友達すらいない。(唯一の幼なじみであり親友のマックスは親の仕事の関係でシアトルに移住してしまった→前作ではそのマックスが街に帰ってきたところがスタート)

しかしクロエも最初からこんな不良じゃなく、父親を事故で亡くすまでは優等生で明瞭闊達、全てにおいてポジティブで元気印の女の子でした。が、大好きな父親がいなくなり、それを引きずっている間に、母親が新しい彼(デイビット)と付き合い、果ては同棲しようとしていく中で荒れていく。

そんな中、とあることでレイチェル・アンバーに出会う。

レイチェルは前作で行方不明になってしまった女の子なのですが、そのレイチェルとの出会い、そしてクロエと親友になっていく課程の物語です。

ゲーム内容と感想(ネタバレ無し)

基本的にはアドベンチャーゲームで、プレイで悩むことは少ないです。都度選択肢を選んでいくだけです。その選択肢によってその後の展開が変わるのは前作同様です。但し、クロエ独特の「バックトーク」というのが選択肢に追加されてます。

誰かと交渉をしたいなどの場合、クロエが言い負かす事ができれば有力な情報が手に入ったりするようになっています。ただそれほど難しくなく、失敗しても多少ストーリー展開が変わるほどで、私は2週目までクリアしましたが、1週目と全く違う選択をしても全体的な流れは一方向に集約されていく感じ。そのためデトロイトのように分岐でストーリーが変わるというよりは、選択肢によって、他の人がどのような行動を取るかなどを楽しむことが重要なゲームです。ここ重要。

前作とどうしても比較してしまうのですが、ライフイズストレンジは「時間を巻き戻す事でアイテムを手に入れたり、入れなかったところに入ったり」ができたのですが、ビフォアザストームではそういったゲーム性が無くなっています。

ほぼ海外ドラマのような感じで、時々選択肢は出るけども、基本的にはそこで進んでいくドラマを見ている事が多いのです。そのため、ゲームへの没入感が薄い。いわゆるノベルゲームのようで正直、夜とかにちょっとだけやろうとしたら眠くなった事もある。

が、

ライフイズストレンジをプレイした方なら絶対にやるべきです。

前作ライフイズストレンジでは、レイチェル・アンバーの性格や背景はあまり分からなかったのですが、今作で優等生で破天荒だと分かります。不良娘のクロエと優等生がどうして親友になるまで親しくなっていくのか?は前作では語られていません。 優等生でみんなに好かれる事を演じているからこそ心を解き放ちたいレイチェル。大好きな父親が死んで、新しい父親になるであろう人が嫌いでひたすら反抗するクロエ。

そんなクロエも元優等生だからこそ、レイチェルの気持ちが分かるのかも。プレイすると分かりますが、前作ではぶっ飛んだ行動をするクロエに正直「こいつムチャクチャやな」と思ったのですが、そういったクロエサイドの心情がよーく分かる今作では、プレイすると彼女の事を好きになりますよ。きっと。

高校生活、両親、友達、麻薬、金、汚い大人、秘密、、、、高校生という大人でも子供でもないからこそバカやったり、真剣に考えなければならなかったり、親に言えない悩みがあったり、、、、だからこそいろいろと話せて相談できる「親友」が必要なんだよね。こっぱずかしい事も勇気を出して言い合えるような。で、自分の高校生活を振り返ると、、、ここまでの親友がいなかったなぁーと考えたり、自分がこんな苦しい時、話せる友人はいるんだろうか? と自問してしまう。こういう自分の過去と照らし合わせたり、台詞が無いその場の雰囲気だけで悟らせるような、いわゆる行間を読ませる系の描写が本当に上手で、正にノベルな感じ。

そういう二人のドラマを追体験して心情を深く考えたりすると、ライフイズストレンジのストーリーが一層深く染みこんできます。

ネタバレはしたくないので詳細は書きませんが、心を揺さぶられるストーリーは相変わらずで、まさにライフイズストレンジ(人生は不思議だ)。これで3000円台で買えちゃうのはかなりオトク。素晴らしい音楽とアルカディア・ベイの美しい自然にも酔いしれます。前作の謎(というか補完)は概ねクリアになりますし。

冒頭にも書いたように、「良作の続編とは言ってもさ・・・」みたいな感じで期待していなかったのですが、大きく期待を裏切られました。ライフイズストレンジとビフォアザストーム、この二つのゲームで一つのストーリーが完結すると言ってもいいぐらいなので、前作が面白かった人は絶対プレイすべきです。私はこのレイチェルとクロエを知って、その知識を持ってもう一度ライフイズストレンジをやり直しました。それもまた涙です。

まだ両方未プレイという方、ライフイズストレンジからビフォアザストームという流れでプレイしてみては?双方3000円台なのでお勧めです。

関連リンク

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・スクエアエニックス公式サイト:ライフイズストレンジビフォアザストーム

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