Appleは、iPhoneの新型として3機種『iPhone X(テン)』、『iPhone8』、『iPhone8 Plus』を発表しました。
他のサイトでたっぷり詳細はやっていると思いますので、私的にはさくっと紹介させていただいて、Android使いから見た雑感を書かせて頂きました。
iPhone X
これが一番の目玉でしょう。エックスではなくテン。
5.8インチ Retina HD OLEDディスプレイとなり、iPhone初の有機ELディスプレイになっています。解像度も2436 x 1125とほぼ2Kレベルです。
またホームボタンが無くなり、且つ指紋認証も無くなりました。その代替としてFaceIDと呼ばれる3D AI顔認証を搭載。
立体的な顔認証となり、似せて作ったフェイスマスクなどだけでなく、双子ですら見分けられます。また赤外線センサーも搭載し、暗闇でも顔認証が可能。目を開けた状態での認証となるため、寝顔も不可と、ハイセキュリティを実現しています。ただ手に持っている時は良いのですが置いたまま使うときはカメラの前に顔を持って行く作業がちょっと面倒そうですね。このあたりはGalaxyの虹彩認証と同じような使い勝手のイメージです。
カメラは前面/背面ともにブラッシュアップ。背面は12MP x2のデュアルカメラ。両方とも光学手ぶれ補正を搭載。ポートレートモードでの撮影も可能で、更にポートレートライティング(出荷時はベータ版)も搭載。これは撮影後のエフェクトの一種で、スタジオ撮影のような照明エフェクトでより綺麗に明るい写真にすることが可能。
また、ワイヤレス充電 : Qiにも対応しています。Qiは便利なのですが、Androidではいまひとつ流行りませんでした。充電しながら使えないという面があるので、予備的な使い方になる点がマイナスですが、Appleが採用されることで今後普及するかもしれません。
ストレージは、64GB(11万2800円)と256GB(14万184円)の2モデル。10/27から予約受付、11/3から出荷開始です。
iPhone8/ 8Plus
iPhone8とiPhone8 Plusはキーコンセプトのままブラッシュアップされました。
デザイン面ではあまり変化はありませんが、背面がガラス製に変更されています。またホームボタンも継承されているので、FaceIDではなくTouchIDとなります。
ディスプレイはそれほど変わりませんが、Retina HD True Toneディスプレイとなり、より広い色域に対応し、鮮明なディスプレイとなりました。
カメラはiPhone8がシングル、iPhone8 Plusがデュアルという構成は同じ。ただ背面カメラはXと同様、ポートレートライティングを提供します。
ワイヤレス充電もXと同様にサポートされます。
以下価格と発売日です。 9月15日から予約開始、9月22日から発売となり、各キャリアでも同様の日程です。
iPhone8
64GB :78,800円
256GB : 95,800円
iPhone8 Plus
64GB : 89,800円
256GB : 10万6,800円
Android使いから見た雑感
iPhone XでAppleはやっとコンサバデザインから抜け出したのは、Android使いからみても喜ばしいなと思います。ホームボタンが無くなるのは分かっていましたが、指紋認証すら無くすというかなり思い切ったことをしてきました。レガシーデバイスを思い切って切り捨てるAppleらしさがあって気持ちが良い。(指紋認証がレガシーかはさておいて、きっとAndroid端末ではできないことでしょう。)
ただ代替となるFaceIDの精度がどの程度かによって、これは評価が分かれそう。動画を見ている限りは認証精度はかなり良さそうですが、実際うまくいかないことが何度かある程度あると、信頼できずにイライラして叩きつけたくなるはずで、指紋認証の利便性を超えられるかが鍵でしょう。ただこのFaceIDがなんの問題も無くストレスフリーで動作する場合、一気に指紋認証が陳腐化する可能性もあり、楽しみな機能です。
デザイン面でも全画面ディスプレイはすさまじい破壊力で、Galaxyのインフィニティディスプレイである程度見慣れているとは言え、これは美しい。初見で「これはいい」とか「凄い」と感じるデザインのものはなかなかありませんからね。ただゲーム等、全画面表示して使うものは上部カメラ部(ディスプレイ側から切り欠きに見える)部分に操作キーがあったりすると被って操作できないので、このあたりの微調整はアプリケーション側で必要そうです。おそらく既に対策はしているのでしょうが・・・。
カメラは使ってみないとなんとも言えませんが、それでもHUAWE ライカデュアルカメラI越えはしているのかもと期待しています。
対してiPhone8シリーズはキーコンセプトのままで、スペックアップ分以外はそそられる内容は無しと言って良いでしょう。iPhone Xがもしも無く、iPhone8だけだったら「Appleやばいな(進歩がなくて)」と思われるぐらい。もちろんiPhoneはハード面よりソフトウェア面での成長が肝で、使い勝手や全体的な満足感の高さが売りなのは理解しています。それでもiPhone7(と、それ未満)のユーザーに買い替え需要を促す必要はあるわけで、明確に何が違うかをぱっと見で示せていないなとは感じます。
とは言え、iPhoneで生計を立てているAppleとしてはギャンブルはできないわけで、キーコンセプト+新デザインの2つのラインとなったのでしょうね。もっと言えば、iPhone X一本で勝負できるほどの自信がまだ無いのかもという気もしてしまいます。
それでもAndroid(私はiPhoneも使いますが)ユーザーからすると、ハード的な面白さを示してくれたiPhone Xは「一度は使ってみたい」と思わせる雰囲気をもってる、久しぶりに「iPhone Xは買おう」という意欲が出るスマホで、見事にやられました。デザイン、スペック、機能等すべてが最高レベルと言って良いものになっている(と予想される)iPhoneって久々な気がします。いままでは「Androidのほうがもっと良いものあるし」でしたが、これでAndroidのほうも活性化されてくるでしょうね。
Xの価格はべらぼうに高いですが、最高級スマートフォンはこれだというようなプレミアム感と所有欲を満たしてくれそうです。
関連リンク
Apple : iPhone X / iPhone8シリーズ