ZTEの低価格Wi-Fi 6対応ルーター「Kumo AX3000」と「Sora AX3000」をレビューしていきます。
この「Kumo AX3000」と「Sora AX3000」は、数千円で手に入る価格帯ながら、メッシュWi-Fi環境を手軽に構築できるという魅力があります。普通メッシュWi-Fiシステムを導入しようとしたら、ルーターで1万円以上、メッシュ用にももう一台も合わせれば数万円の予算が必要です。
しかし「Kumo AX3000」と「Sora AX3000」であれば2つで1万円強。圧倒的コスパです。
この2製品を実際に使ってみて、実際の通信速度や安定性にどのような影響を与えるのかを試してみました。
メッシュWi-Fiシステムの必要性
メッシュWi-Fiシステムは、宅内のWiFiの死角を無くすシステムで、複数台のWiFiルーターを使い、1つのSSID(接続先)で繋がるエリアを広げる為のものです。
自宅に1台のWiFiルーターがあるだけだと、そのルーターの電波範囲しかWiFiが繋がらず、当然遠くなれば速度が落ちます。
しかしメッシュがあれば、広範囲に高速WiFi接続が可能です。
光回線の根元が玄関付近にあり、その付近にしかWiFiルーターが置けないなどの事情がある場合、リビングではWiFi接続ができない/接続できても遅いというケースや、2F建ての家などでルーターのある場所と使う場所で階が別れる場合などでは、メッシュWi-Fiシステムがあると重宝します。
| 項目 | メッシュWi-Fiシステム (例:Kumo/Sora AX3000) |
単体Wi-Fiルーター(メッシュ機能なし) |
| 電波の届く範囲 | 広範囲(複数ユニットで家全体をカバー) | 限定的(ルーターを中心に電波が届く範囲のみ) |
| 接続の安定性 | 家中どこでも安定。移動しても自動で最適接続に切り替わる (シームレスローミング)。 | ルーターから離れると電波が弱まり、切断や速度低下が起こりやすい。 |
| ネットワーク名 (SSID) | 1つのSSIDで全てのユニットに接続できるため、非常にシンプル。 | 各ルーターや中継器ごとにSSIDが分かれる場合があり、手動での切り替えが必要。 |
| 初期設定・管理 | 親機を設定すれば、子機はアプリで簡単に一括設定・管理が可能。 | 各ルーター/中継器を個別に設定・管理する必要がある。 |
| 速度低下 | ユニット間で最適な経路を選択するため、速度低下が起こりにくい。 | ルーターから離れた場所では速度が大幅に低下する。 |
| 価格 | 複数ユニットが必要なため、導入コストは高め。 | 1台で済むため、導入コストは安価。 |
| 適した環境 | 3階建て、4LDK以上の広い家、壁や障害物が多い家、家族の利用が多い環境。 | ワンルーム、1K、狭いマンションなど、ルーター1台で十分な範囲。 |
「Sora AX3000」「Kumo AX3000」の特徴
ZTEは、通信機器出荷台数500万台を突破しており、インターネット接続機器世界シェアで23.4%の3年連続世界シェア1位のメーカーです。
このZTE Sora AX3000は、Wi-Fi 6(AX3000規格)に対応し、5GHzで最大2402Mbpsの高速通信を実現したWiFiルーター。
EasyMesh機能を搭載しており、親機と子機を簡単に接続し、3階建てや広いスペースでも途切れないWi-Fi環境を構築可能です。ギガビットポートを計3つ(WAN×1、LAN×2)搭載し、有線接続も高速で安定。最新のIPv6およびWPA3に対応した高いセキュリティ機能や、アプリによる簡単な初期設定・リモート管理機能も備えています。
Kumo AX3000は、Wi-Fi 6(AX3000規格)に対応し、5GHzで最大2402Mbpsの高速通信を実現。最大の特徴は、わずか20.7mmの超薄型設計で、跡が残らない両面テープやマグネットにより壁面への設置が容易な点です。
またSora AX3000と同様にEasyMeshに対応し、家中どこでも途切れない環境構築が可能。また、1Gbpsポートを計3つ搭載し、IPv6やWPA3などの高いセキュリティ機能にも対応。Sora同様にアプリで簡単設定でき、外出先からのリモート管理も可能です。
| 項目 | Sora AX3000 | Kumo AX3000 |
| 製品カテゴリ | メッシュWi-Fiルーター(標準エントリーモデル) |
メッシュWi-Fiルーター(薄型上位モデル)
|
| 最大通信速度 | 5GHz帯:最大2402Mbps / 2.4GHz帯:最大574Mbps |
5GHz帯:最大2402Mbps /
2.4GHz帯:最大574Mbps |
| 最大接続可能数 | 64台 | 64台 |
| アンテナ数 | 内蔵5本 (5GHz×3、2.4GHz×2) |
内蔵5本 (5GHz×3、2.4GHz×2)
|
| LAN/WANポート | 1Gbps WANポート × 1、1Gbps LANポート × 2 |
1Gbps WANポート × 1、1Gbps LANポート × 3
|
| 本体サイズ (約) | 182.5 × 52 × 124.5 mm |
210 × 160 × 20.7 mm
|
| 本体重量 (約) | 272 g | 330 g |
| 設置方法 | 標準的な縦置き |
壁面取り付け可能 (無痕テープ/マグネット式)
|
| メッシュ機能 | EasyMesh対応 | EasyMesh対応 |
| セキュリティ | WPA3、IPv6対応 |
WPA3、IPv6対応
|
| 参考価格(税込) | ¥6,980 | ¥8,980 |
*ZTE様にお借りしてのレビューです。
外観
Sora AX3000
本体、ACアダプタ、LANケーブル、マニュアル、WiFi情報カードが同梱されています。
マニュアルは図解ありで見やすい。QRコードから電子マニュアルも見れます。またアプリ「ZTE SmartLife」もQRからダウンロードできるようになっています。
前面にLEDが1つとシンプル。縦型のため、いわゆる一般的な棚などに据え置き型として使う事が想定されています。
背面にWAN x1,1Gbps LANx2が搭載。
Kumo AX3000
Kumo AX3000には、ACアダプタ、LANケーブル、マニュアル、WiFi情報カードの他に、ブランケットと両面テープが付属しています。
マニュアルはSora AX3000と同様で図解で分かりやすく電子マニュアル/アプリへのQRコードも添付されています。
ポート部分には、WAN x1と1Gbps LANが3ポートあり、汎用性高い。このように薄型の為、壁掛け型になります。
ブランケットは本体側がマグネット式で下部にがちゃっとくっつく仕様。Kumo AX3000が273gと軽量な為、このブランケットが壁面に両面テープ等でしっかりと固定されれば、Kumo AX3000本体をあとはマグネットでくっつけるだけでいいという発想が素晴らしい。
壁面に両面テープで貼り付けてマグネット式で固定されるため、リビングの壁などでも違和感なく取り付けができます。
WiFiのアンテナは、その効果を考えればできれば高い位置に置きたいものですが、Sora AX3000のように据え置き型だと置きづらいものです。しかしKumo AX3000のように薄型で両面テープでも壁に固定できるなら、高い位置に置けるのでWiFiルーターどこに置く問題が解決します。(ケーブルの取り回しはあるので、どこでもという訳にはいかないでしょうが)
初心者でもメッシュ構築は簡単
Sora AX3000
今回レビューしているSora AX3000、Kumo AX3000はどちらもメッシュWi-Fiシステムの親機にも子機にもなれるので、各々1台ずつではなく、例えばSora AX3000を2台でもメッシュが構築できます。
今回はSora AX3000を親機として設定していきます。
と行っても設定はとても簡単。
まず管理/接続アプリ「ZTE Smart Life」をマニュアル/本体のQRコードから読み込み、スマホ等にインストールします。
デバイス追加でルーターを選択して、Sora AX3000を追加します。
あとは以下のように「新しいルーターとして追加」を選択し、光回線等のインターネット設定をします。最近はDHCPで自動IPアドレス追加だけで接続できるマンションタイプなども増えていますので、DHCPであれば簡単。手動で設定する必要があればそちらを選択します。
WiFi設定では、バンドステアリングと呼ばれる、5GHz/2.4GHz帯を別々にせずに1つにまとめるもので、大抵はこちらでOKです。(どうしても2.4GHz帯しか接続できないデバイスがあり、このバンドステアリングで接続が出来ない場合はオフにします)
管理者パスワードも変更できるので、デフォルトだと怖いので変えておきましょう。
その後一番右の画面となり、ダウンロード/アップロードの速度が表示されているのであれば、問題無くインターネットに接続されています。
PCデスクの上に設置してみましたが、ダウンロード407Mbps/アップロード656Mbpsと抜群の速さです。
自宅は集合住宅光回線ですが、だいたい100Mbps~500Mbpsぐらいの間なので、理想的な数値が出ているのは間違いないです。
Kumo AX3000
子機の追加は超簡単です。
Kumo AX3000を電源に繋いで起動後、同じように管理/接続アプリ「ZTE Smart Life」を起動して、ルーターを追加します。
ここで親機と違うのは「メッシュルーターとして拡張」を選ぶ点。
無線でメッシュを組むので、親機の近くに置いて、双方のWPSボタンを長押しします。たったのこれだけ。
これで今回の場合で言うと、親機のSora AX3000と子機のKumo AX3000がペアとなり、メッシュWi-Fiシステムが出来上がります。
そうすると上記真ん中の画面になり、メッシュが構築出来たことが確認できます。
メッシュWi-Fiシステムというと難しいイメージがありますが、やることはWPSボタン長押しだけ。
めちゃくちゃ簡単です。
*なお、最新のZTE Smart Lifeアプリでは、メッシュ設定においてより簡単な操作手順でメッシュが構築可能です。
操作はこれだけ。
「コントローラー(親機)とエージェント(子機)のMESH/WPSボタンをそれぞれ約2秒間押し、インジケーターが緑または白に点灯した後、約30秒待つとメッシュネットワークが設定完了します。」
どちらも簡単なやり方なので、好きな方を使って頂ければと思います。
メッシュWi-Fiシステムの効果はいかに?
我が家はリビングのネット速度がルーターの近くの400-500Mbpsからすると30-170Mbpsぐらいとガクンと落ちます。調子が良いときで以下のような感じです。
今回親機となるSora AX3000は、仕事部屋に置いて、扉で区切られた隣の部屋にあります。
リビングにこんな感じでメッシュ子機となるKumo AX3000を置いてみました。壁面に取り付けるのはこの置き方で速度が出なかった時にしようと。まずはこれで試してみます。
結果です。ダウンロードが倍速ぐらいになり、アップロードは5倍。めちゃくちゃ快適です。
但しこの置き方だと水平方向のカバレッジが弱まる為、壁面に取り付けました。これで部屋中のカバー率が高まるはずです。
総括: 初心者でも簡単にメッシュWi-Fiが作れる
ZTEの「Kumo AX3000」と「Sora AX3000」は、メッシュWi-Fiシステムの導入ハードルを圧倒的に引き下げるWiFiルーターでした。
2台セットでも1万円台という価格ながら、どちらもWi-Fi 6(AX3000規格)の高速通信に対応。
特にメッシュ構築は、アプリからWPSボタンを押すだけという手軽さで、初心者でも簡単に宅内のWi-Fi死角を解消できます。
実測では、電波が弱かったエリアの通信速度が数倍に改善されました。デザイン性を求めるなら薄型壁掛け可能なKumo AX3000、コスト重視ならSora AX3000と、ニーズに合わせて選べる点も魅力です。
このZTE Kumo AX3000/Sora AX3000は共に、Amazonブラックフライデーセールにて特価中です。
Kumo AX3000が6,735円、Sora AX3000は5,235円と、2つ合わせても11,970円です。