GMKtecから発売された、Intel Twin Lake N150を搭載したミニPC「GMK NucBox G2 Plus」を使ってみました。
たったの87mm角という手のひらサイズのミニPCで、12GB RAM+512GB SSDというちゃんとWin11が使えるスペックです。
GMKtec NucBox G2 Plus ミニPCの特徴
GMKtecはローエンドからハイエンドまで発売するPCメーカーですが、今回レビューするGMK NucBox G2 Plusは、その中でもローエンドに位置するミニPC。
とは言え、Intel Twin Lake N150 4コア 4スレッド Max 3.6GHzのプロセッサを搭載したミニPCとなっていて、Intel N100、N95といったローエンドPC界のトレンドだったプロセッサよりも上です。
メモリは12GBでこの超小型筐体の為オンボード。ストレージは2242サイズの512GB/1TB SATA SSDが搭載されています。SATAという事で速度はそこそこですが、容量は十分。
拡張ポート類もRJ45 Gigabit 有線LAN イーサーネット(有線LAN) x2ポート、USB 3.2 x3。USB Type-Cもありますが電源供給用となっていて拡張ポートとしては使えません。
HDMIx2と合わせて、DPポートもあり、映像出力ポートが3つ。この小さい筐体にもかかわらず、3つのディスプレイでマルチディスプレイも可能です。
GMKtec NucBox G2 Plus | |
ディスプレイ | – |
CPU | Intel Twin Lake N150 4コア 4スレッド Max 3.6GHz |
メモリ | DDR5 12GB |
ストレージ容量 | 512GB/1TB 2242 SATA SSD *最大2TB |
OS | Windows11 Pro |
カメラ | – |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax(WiFi6) Bluetooth 5.2 |
インターフェース | RJ45 Gigabit 有線LAN イーサーネット(有線LAN) x2 USB 3.2 x3 USB Type-C x1 (電源) HDMI2.0 x2 DP x1 3.5mmイヤホンジャック/マイク |
バッテリー/急速充電 | – |
重量 | 204g |
サイズ | 87 x 87 x 39.5mm |
*GMKtec様よりお借りしてのレビューです。
梱物と本体周り
同梱物は、ACアダプタ、HDMIケーブル、マニュアル、ネジ一式、赤いパネル、ブラケットです。
ACアダプタは日本で使えるコンセントタイプで、ちゃんと2pin。そのまま挿せます。結構ミニPCだと3pinがあるのでかさばるのですが、さすがMINISFORUM。
ちなみにACアダプタは12V/3Aの36W出力のUSB Type-C端子なので、36W以上のUSB充電器なら代用も可能そう。ちなみにXiaomi 165W PowerBank(モバイルバッテリー)で起動も可能でした。
マニュアルは基本図解で、多言語仕様で日本語もあり、分かりやすい。
前面には電源ボタン、右にUSB 3.2 x3、左にHDMI x2,DP x1と、サイズが87×87×39.5 mm角とコンパクトな為、所狭しと端子があります。
背面にはUSB Type-C(電源)、ギガビットLAN端子x2と、よくこんな小さいボディに押し込んだなというイメージ。下部にはちゃんと放熱スリットがあります。
87mm幅しかないので、ディスプレイに対してこんなにも小さい。
起動後のシステムのプロパティ。
内部アクセスは簡単
上蓋は工具レスで外れるようになっていて、簡単に取り外せます。(多少固かったですが)
内部には、512GB SATA SSDがあり、交換する事も可能。M.2 2242サイズであれば最大2TBまで換装できます。
また付属のレッドカラーのパネルと交換することで、イメージを変えることができます。
また底面パネルもネジ4本外せば取り外し可能。但し底面パネルには、本体のLEDライト用のケーブルが繋がっている為、慎重に開ける必要ありです。
Intel N150プロセッサとヒートシンク、ファンが拝めます。あまりこちらを触る事はないでしょう。
ベンチマークと体感速度
「GMK NucBox G2 Plus」の実力をベンチマークで試してみました。
まずはCrystalDisk Mark。512GB SATA
シーケンシャルリードで558.33MB/sとSATA SSDらしい性能です。NVMe SSDであれば3倍以上高速にはなるはずですが、それでも体感的に遅いと感じる場面は少ないです。
遅いと感じるのは電源オンからの起動ぐらいでしょうか。
ログイン画面まで37秒
シャットダウン 30秒
だいたいこれぐらいで、NVMe SSDだと半分ぐらいで済むでしょうから、一気にデータを読み書きするようなケースでは多少遅さは感じるものの、それでも起動してしまえばよほど大容量のデータでなければ、SSDアクセスでイラつくことは無いはず。
PCIe3.0端子のようなので、最悪は2242サイズにNVMe SSDに換装すると速くはなりそうです。
ドラゴンクエストX ベンチマークでは、快適となりました。ドラクエXは余裕そうですね。
ただ、Detroit Become Humanを試しにプレイしましたが、こちらはカクついてダメですね。
ただIntel N150プロセッサで重めゲームをすること自体、そもそも期待された使い方ではないでしょう。
ネット見たり、動画見たりといったライトユースであればストレス無く使えます。こうした低負荷作業をローエンドPCでも”サクサク使える”事がこのGMKtec G2 Plusの主な使用用途であり、ウリでもあるので、これ以上の用途であれば別のPCを買うべきでしょう。
LEDライトカラーを変えられる
GMKtec G2 Plusは、デフォルトでは下部LEDライトがブルーに光っています。
天板パネルがブラック、LEDがブルーでこれはこれで格好いいのですが、付属のレッドカラーのパネルに変えるとアンバランス。
しんしご安心を。LEDライトはカラーを変更可能です。
起動時にGMKロゴが出ている間に「Del」キー連打で、BIOSに入れます。
「Boot」→「LED Color Settings」と選んでいくことで、7色から選択可能。
赤いパネルに合わせる為、「RED」を選び、「Save & Exit」でSaveして、起動するとLEDライトは赤くなり、見事にコーディネートができています。
多少不満点も
基本的にはこの小ささでWin11 がちゃんと快適に使えるので凄いのですが、多少不満を挙げるとすれば、USBが3ポートしか無い点。
キーボード、マウスで2つ使うと残1ポートのみです。
初期セットアップ完了させればBluetoothキーボードとマウスにすれば良いという運用でカバーもできますが、「やっぱキーボードは有線だぜ」と思っている方にはUSBは足りなくなる可能性ありです。もう1-2ポートあると良かったかも。最悪はUSBハブで増やす事も可能ですが、せっかくの極小筐体が煩雑になるのはちょっと惜しい。
総括 : 価格とのバランスが良い
GMK NucBox G2 Plus。価格は2万円強。
これで、Webブラウジング、NetFlix等の動画配信サービスの視聴、Office系文章作成等が快適に動作するのです。
しかもWin11 Proがプリインストールされて。
充分以上でしょう。
向いていないのは高速SSDであったり、ゲームや拡張性を求める方で、そういう方はそもそもこのPCを選ぶべきではないですね。
超小型でディスプレイ裏にも設置可能で邪魔にならず、静音性も高くてリビングで使っていても音が気になる事もない。上部パネルを外してカラーとLEDライト設定を変えれば、雰囲気ががらっと変えるギミックもあります。
その他、NASサーバーにすることも可能そうですし、使い方はいろいろできそう。
これが2万円ちょいでできるのですから、コスパは最高です。