昨晩ですが、htc様の新製品発表イベントにご招待頂き、霞ヶ関コモンゲートまで行ってきました。
最初に結論から入るのが好きなので、言ってしまうと、「htcさん凄い事考えてるぞ」と言う衝撃を受けました。それは新製品ではなく、売り方とサービス・サポート体制。
htcがSIMフリー市場に参入する為、2製品を投入しますというのは前日のニュースで知っていたし、「ポップなカラーで面白そうな端末だな」というイメージを持って当日行ったわけです。当然、海外のグローバル端末を持ってきて日本で技適取って売りますよぐらいの話かなと思ったら全然違いました。
メーカーがMVNOのSIMをセットで売ります
いままではMVNO(格安SIM)業者側が、端末をセットで売ることはありましたが、htcではOCNモバイルONEをセットにして、Onlineストア(htc e-Shop)で販売するとの事。(当初はOCNという選択なだけで今後は変わる可能性もあるとの事)
これって意外と無かったですよね。ASUSがZenFone2シリーズを売っているけど、それを売っているのはMVNOであったり、販売チャネルを持っている家電量販店だったりする。でも今回htcではそれもやるけど、直販で「htcがMVNOを選んで売る」という方向もやるという事で、かなり面白い。
SIMフリー機の市場は、新機種などは飽和状態で、雨後の竹の子のようにぼこぼこ販売されるわけですが、そうなると家電量販店であったり、MVNOによるセット販売では、よほどのブランド力がないとなかなか目立たないし売れないのも事実。
そこで自分達でMVNOのSIMをくっつけて売る事もできますよという方向性になったようですが、これは一つの解決策ですね。
365日サポセンと5営業日以内返却の修理体勢
SIMフリー機について回るのは「保証」「サポート」の問題。
これがあまり充実していないから格安スマホと呼ばれる所以な訳ですが、htcではSIMフリー機とは言えここを徹底していました。
年中無休のサポートセンター(コールセンター)で年中無休の365日体勢。24時間ではないけど10-19時と個人ユースでも十分な時間帯を抑えている。土日もやっているサポートセンターの構築って結構大変なんですよ~。費用だったりシフトだったりと・・・(と以前、コールセンター構築に携わった苦労を思い出す)
また、故障などで預かり修理になった場合も、5営業日以内で手元に帰ってくる体勢があるとのこと。
これはauでhtc端末を販売している為、サービスセンターがあり、SIMフリー機であっても同様の体勢で行えるというメリットが大きいそう。今後はApple Careのような故障したら新品を送ってくれて、使用できない期間を限りなく小さくするようなサービスも確立する予定との事でした。
SIMフリー機にキャリアと同等のサービスを求めるのは、個人的にはナンセンスと思っていた部分もありました。それはコスト。いろいろと要求するのは良いことですが、それらは全てコストに跳ね返り製品価格を上げる要因になってしまう。皆さんの要望取り入れて素晴らしい体勢はできましたが、価格がキャリア並みになってしまいましたでは意味が無い。
その点htcはauというキャリアと構築したインフラがあり、それを利用してSIMフリー機も同等レベル(と思われる)サービスが提供されるなら大歓迎。
Desire EYE/626は日本に合わせた周波数帯用意
前述したように、「SIMフリー機に参入と言っても、グローバル製品を持ってきただけでしょ」という先入観もあった。
そんな中頂いたカタログを見ていると、LTE対応バンドはB1/B3/B19/B28をきっちりサポートしている!!!
htcの方に聞いてみると「日本で売るので当然カスタマイズして持ってきました」と素晴らしいお言葉。ドコモ系MVNOを想定しているので、この4バンドサポートしているわけだが、B19のプラチナバンドまでサポートしていればほぼ完璧でしょう。B28もあるので将来性もばっちりです。
HUAWEIのP8 maxなんかは、ドコモ周波数帯はB1/B3しかサポートしていないのに、堂々と日本で売っているのを見ていたので、そういうことは今後考えていたりするのですか?と聞くと「htcはあり得ない。むしろ今後作ってもらう端末は全ての国の周波数帯をサポートするように要請しているぐらい」と言い切ってました。
かっこいいわー。ほんとそうあるべきですよね。グローバルモデルで良さそうな端末を見つけても、LTE周波数帯が日本でサポートされていないとがっかり多し。まぁー私の個人的なことではありますが。ただ売る方も、売りたいものをいちいちカスタマイズするのは手間も費用も掛かるので、こういう要請になるのでしょうけどね。
htcの本気度を見たイベントでした
こういうイベントに参加するのは初めてで、プロ(?)ブロガーの方達の熱気が凄くて威圧された所もありますが、メーカーの方の考えとか熱意とか、いきさつとかが聞けて凄く勉強になりました。
またここまで紹介してきたように、htcさんはグローバルモデルを単に日本に持ってきて売りますよという事では無いという本気度に驚きました。
Onlineの直販体制でSIMも付ける売り方、サービス・サポート体制の確立、端末も日本用にカスタマイズしてくるという本気度はしっかり伝わりました。これらはhtcがauというキャリアで販売してきたからこそ「日本市場は生半可なサポートでは満足度を得られない」と知っているからだと思います。
端末(htc Desire EYE/635)のレビューは別途記事にしますが、端末自体も凄く良い出来で、SIMフリーなのに防水/防塵であったり、セルフィーにも強いなど特色は多く魅力的。
このイベントでは様々な質問が出て、開発の方、営業の方、広報の方などが応えてましたが、いずれも「どうやったら日本のAndroidでhtcは地位を確立できるか」を真剣に考えていて、htcの本気度ががっつり伝わってきたイベントでした。