Amazonから「Kindle Oasis」が発表されましたね。
Kindle Oasis Wi-Fi バッテリー内蔵レザーカバー付属 ブラック キャンペーン情報つきモデル私は電子書籍愛用派で、スマホ/タブレットでKindleアプリでいろいろと読んでいたりもするので、「Kindle Paper White買ってもいいかも」と思っていた。だからこの「Kindle Oasis」の発売にはワクワクしました。使いやすいと思いますし。
が、いろいろと見てみると「これ要らないわー」と断定できます。はい。
そのあたり見ていきましょう。
スペック
なんでいらねーかは下記説明していくのですが、まずはAmazonのKindle Oasisのページから拝借したスペック表をご覧ください。
項目 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | Carta電子ペーパー技術採用6インチAmazon Paperwhiteディスプレイ、解像度300ppi、内蔵型ライト、フォント最適化技術、16階調グレースケール |
サイズ | 143 mm x 122 mm x 3.4-8.5 mm |
重量 | Wi-Fi:131g / Wi-Fi + 無料 3G:133g / カバー:107g |
システム要件 | ワイヤレス接続対応、コンテンツのダウンロード時にPC不要 |
容量 | 4 GB / 端末本体に数千冊保存可能(一般的な書籍の場合) |
クラウド | Amazon のコンテンツはすべて無料でクラウドに保存可能 |
バッテリー | バッテリー内蔵カバー装着時、明るさ設定10、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合、1回の充電で数か月利用可能。ワイヤレス接続およびライトの使用によって利用できる時間は異なります |
充電時間 | PCからUSB経由での充電で約3時間 |
Wi-Fi接続 | 802.11b、802.11g、または802.11n標準規格を使用した、公共およびプライベートネットワークまたは無線LANスポット、パスワード認証によるWEP、WPAおよびWPA2セキュリティおよびWPSに対応 |
対応ファイルフォーマット | Kindleフォーマット8(AZW3)、Kindle(AZW)、TXT、PDF、保護されていないMOBI、PRCに対応。HTML、DOC、DOCX、JPEG、GIF、PNG、BMPは変換して対応 |
ユーザーヘルプ | スタートガイド(同梱、PDF)、Kindleユーザーズガイド(端末にプリインストール、PDF)。その他の情報はヘルプページで参照できます |
保証とサービス | 1年限定保証付き。国内の場合、オプションで別売の延長保証をご利用いただけます。Kindle の使用時は利用規約が適用されます |
同梱内容 | Kindle Oasis、バッテリー内蔵カバー、USB 2.0充電ケーブル、保証書、スタートガイド(PDF) |
価格 | 35,980円 |
価格が高すぎる
まずこれですね。35,980円はどうなのかと。WiFiモデルでこの価格で、3Gモデルは41,190円。
補助バッテリー内蔵レザーカバーが付属しているとは言え、高すぎる。極論ですが、言ってしまえば6インチの白黒タブレット(厳密にはイーインク)のようなもの。しかも読書のみに特化していて他のことには使えない。それに35,980円は高すぎでしょう。「昔の電子辞書か!」と突っ込んでしまった。電子書籍も用途限定の割には無駄に高いし。あれと一緒。
Kindleなのでモノクロ(イーインク)なのは分かりますが、この価格なら「カラーでも読めます」ぐらいの事をやってくれればまだ価値はある。小説ならモノクロでいいけど、漫画とかだとどうしてもカラーの部分はあるし、それはそれで魅力的。「だったらFire HDで見ろよ」というご指摘・・・まぁこれが正解なんでしょうね。
いままでKindleで読んでいたけど、よりバッテリーが持ってカッコイイものが欲しいという人が対象なのであって、自分のように「7インチタブレットのほうがいいよね」と、比較してしまう人は対象ではないのでしょう。
とは言っても、他のKindleとの価格差以上の何かがあるのかと言われると、このAmazonの比較表を見ても分かりません。LEDの数が違うぐらいしか機能的な違いが見いだせない。もちろん後述するバッテリーも違うのですが・・・
容量4GBとかケチ臭い
35,980円(価格連呼でしつこくてすみません)の製品としては、異例の容量4GB。今時もうちょっと積めたでしょと思うのは私だけ? 知り合いがKindle Paper White3Gを愛用しているのですが、漫画40冊前後で4GBが満タンと嘆いていたことがあります。文字だけの書籍なら数千冊入るのですが、漫画だと50-60冊は入らない。(画質により多少変わるでしょうが)
「クラウドにあるからいつでもダウンロードすればいいさ」
というご指摘あると思います。確かにそういう事ができるのがKindleの良い所。
でもね。漫画とか一気読みするものですから、10~20冊とか簡単に読めちゃう。文庫とかとは違って。そうなると50冊がローカルにあるよ・・・ぐらいでは実際足りないわけです。
で、漫画の場合、「11巻から20巻まで読んだわー。あれ?あそうか、21巻-30巻は入らなかったからクラウドからダウンロードしなきゃ。でも他の消さないと入らないな-」みたいな事になるわけで・・・んなまどろっこしい事やってられないわけですよ。実際。
これがWiFi環境があるならいいけど、無い場合はWiFiモデルは諦めるしかない。3Gモデルの場合はダウンロードできるけど、
3GモデルのKindleは無料で3G回線が使えるため、インターネット環境がない場所でも、いつでも本をダウンロードできます(3G接続は日本の国内のみ。また、コミックなど一部大容量のファイルは3G接続でダウンロードできません)。
って、おい。道を塞がれてしまいました。
テザリングでスマホに繋いでクラウドからダウンロードできる方法もあるけど、1冊50-60MBあるものをわざわざ毎回テザリングしていたら、スマホのデータ通信量がぶっ飛びます。
せめて一般的なローエンドスマホと同容量の16GBぐらい積んでいれば、漫画200冊はいけたわけで、これなら結構納得な部分もあったんですけどね。ハイエンドなのに利便性が足りないって・・・まぁーつまりはKindle Oasisでは漫画読むなと。そういうわけですね。
バッテリーもちが数ヶ月とか要らない
レザーカバーは確かにかっこいいし高級感あります。このカバーとセットで使わないとOasisは歪だから組み合わせて1製品なのでしょうが、バッテリー内蔵しない安いモデルとかあればいいのにと思ってしまう。このカバーと一緒に使えば、バッテリーが数ヶ月使えるようになるわけですが、実際そこまで持って欲しいと言う人はどこまでいるのでしょうか?
そもそも数ヶ月使用できるバッテリーが欲しいやつなんているのだろうか?と疑問にならないのでしょうか?Amazonでは。充電環境が無い山にでも数ヶ月こもる人用?
もしバッテリー無しモデルが25,800円程度なのであれば、そちらも提示して欲しい所です。
まとめ: (相変わらず)テキストだけ読む電子書籍ユーザー向け
Kindle Oasisは私のように漫画もテキスト(小説)も読むというユーザーは対象では無いんでしょうね。
Amazonは米国企業だし、日本のように漫画文化が無いから「4GBで容量充分じゃね?」って作って、それをそのまま日本に持ってきましたというストーリーがなんとなく見え隠れしてしまうOasis。せめてそこで「日本では16GBで行きましょう。価格は据え置きで」ぐらいの英断が欲しかった。
本音を言えば6インチで35,980円はそれでも高すぎる。これならズルトラとか7インチタブレット使ったほうが断然安いしカラーだし、使い道はたくさんある。
買ってもいないのにこんなにも文句言うのもアレなんだけど、Kindleって(少なくとも私には)痒いところに全く手が届いてないと以前から思っていたので、この際ぶちまけてみたわけです。
電子書籍の良い所は、本棚を埋め尽くしていた本を一掃して、片手サイズの端末の中に全てが収まってしまう点ですよ。過去に持っていた漫画を電子書籍として買い直し、それを片手の中でいつまでも読める。そこが魅力なんですよね。
それがなんだか片手の中では容量が足りなくて、いちいち本棚の出し入れしなきゃならないような世知辛さではまったく使えない。Android版のKindleではSDカードへの転送はできないので、本体ストレージを大きめにしないといけないし。(それで結局Galaxy Note5を64GBに乗り換えたという経緯もある)
実はOasisが16GBや32GBなら、電子書籍リーダーは全てOasisに移動させてもいいなぁぐらいに思っていたのでしたが・・・・。ただ6インチという大きさは実に良い所を突いていて、就寝前とか飛行機/電車の中とかではジャストサイズなんです。大容量にしてAmazonが困ること無いと思うんだけど。3Gモデルの通信費もWiFiでどかっとDLしたらちまちまクラウドにアクセスしなくていいから通信費も掛からないだろうし。
なので「Oasisがもうちょっと漫画ビュアー寄りならなぁ」と思っていたので、本当に惜しい。期待していただけに裏切られた。(勝手にですが)
と言う事で、そもそもそうだけどKindleはテキストベースの電子書籍リーダーです。漫画も読める。読めるけど使い勝手が良くない。ターゲットが違うからもうこれは仕方が無いですね。
漫画ビュアーを期待している人は、Android/iOS端末で好きなサイズのタブレット/スマホにKindleアプリを入れて読むのが今のところ一番です。という事で私の電子書籍ライフのスタイルが変わる事は無さそうだという事が言いたいのでした。
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