「MINISFORUM MS-A1」レビュー – 小型筐体にデスクトップCPUを詰め込み、M.2 SSD 4台でRAIDが組めるPC好きの心をくすぐる変態ミニPC

世界で最も小さくて拡張性の高いAM5 プラットフォームミニPC「MinisforumMS-A1」をMINISFORUM様からお借りできましたのでレビューしていきます。

MS-A1は、Ryzen 7 8700Gを搭載したハイパフォーマンスPCですが、更に凄いのはPCIe 4.0 M.2 SSDを合計4台まで搭載でき、RAID0/1をサポートしています。

MINISFORUM MS-A1 ミニPCの特徴

MinisforumMS-A1は 最新のAMD AM5 プラットフォームのミニPCとなっており、交換可能なCPUを採用。
これによりマザーボードのライフサイクルを長くして、次世代CPU への継続的なアップグレードが可能となり、ロングライフサイクルでミニPCを使い続けられます。

普通ミニPCはノートPC用のプロセッサが搭載されることが常ですが、MS-A1 にはZen 4 アーキテクチャのAMD Ryzen 7 8700G デスクトップ用プロセッサが搭載。Ryzen 7 8700Gは、8 コア、16 スレッド、最大ブーストクロック5.1GHz、65WTDPとハイパフォーマンス。

MS-A1には、AMD Radeon 780M グラフィックボードを搭載しており、NPU を搭載した初のデスクトッププロセッサとなっています。メモリは、16GB/32GBのDDR5 5200MHz 高速メモリを採用。換装で96GBまで可能。
ストレージは最大7000MB/秒の転送速度の4 つのM.2 PCIe 4.0 NVME SSD スロットも備えています。
これらの拡張スロットにより、最大27TB まで増設可能。

そしてMS-A1 はRAID0 とRAID1 をサポートし、ストレージパフォーマンスとデータ管理の双方を実現しています。RAID0 は転送速度を最大14000MB/秒まで向上させ、RAID1 は信頼性を高めてデータセキュリティを確保しています。

  • 2.5G LAN イーサーネット(有線LAN) x2
  • USB 3.2 x4
  • HDMI2.0 x2
  • 3.5mmイヤホンジャック/マイク
  • USB Type-C 3.2 Gen1 x1
  • USB Type-C 3.2 PD/DP Alt x1
  • USB Type-C 3.2 DP x1

MS-A1はベアボーンも可能で、CPUはAMD7000/8000シリーズ PHXアーキテクチャのものが使えます。

*MINISFORUM様よりお借りしてのレビューです。

主要スペック

サイズ 170*173*1.6mm
OS Windows11 Home/Pro 64bit, Linux Ubuntu
拡張ストレージ M.2 SSD *1 (PCIe 4.0×4)
ネットワーク M.2 2230 support WIFI 6E / Bluetooth 5.2 (PCIe with USB2)
メモリ DDR5 Up to 5200MHz (dual channels)
ストレージ SSD (Bottom)
M.2  2280  SSD *1   (PCIe 4.0×1)
M.2  2280  SSD *1  (PCIe 3.0×4)
SSD (Top):
M.2  2280  SSD *1   (PCIe 4.0×4)
拡張ポート背面 DC-IN Jackx1 (19V/12.63A 240W)
HDMIx1 (4K@120Hz)
DPx1 (4K@144Hz)
Oculinkx1 (PCIe 4.0×4)
Type Cx1 (Data+DP)
Type Ax1 (USB3.2 Gen2)
Type Ax1 (USB2.0)
RJ45 (2.5G)x2 (RTL8125BG)
拡張ポート前面 Type Ax2 (USB3.2 Gen1)
Type Ax1 (USB2.0)
Audio Jackx1 (3.5mm Combo Jack)

梱物と本体周り

同梱物は、ACアダプタ、HDMIケーブル、マニュアル、CPU取り外しピン、SATAアダプターです。

ACアダプタは20cmぐらいありかなりデカイですが、240Wと高出力。これはデスクトップ用プロセッサを使っている為ということもあるでしょう。

前面には電源ボタンとイヤホン/ヘッドホンジャック、USB 2.0,USB 3.2 x2と利用頻度の高いポートが揃っています。

ボディも金属製でがっちりとしていて、前面だけでなく、側面、上部、底面とは放熱スリットが入っています。
重さは約1.7kgとミニPCとしては重量級ですが、ディスプレイ裏に付けたりするわけではないので、据え置きPCとしてはこれで良いと思います。

背面には2.5GbE LAN x2,DisplayPort、HDMI、USB Type-C、USB 3.2,USB 2.0、OCulink となっています。
OCulinkは外部GPUと接続するポートで、これがあると言うことはゲームミングやグラボのパワーを期待する用途も視野に入れているということ。

内部:PCIe SSD x4が凄すぎ

拡張性もチェックしていきましょう。背面の赤丸部分のネジ8点を外すと、蓋が取り外せます。

中には、PCIe4.0x4のスロットに1TB SSDが搭載されています。もう一つ PCIe4.0x4スロットがありこちらも増設可能。

また付属のSATAアダプタ取り付けることで、SATA SSD/HDDも取り付け可能。

またカバーをスライドすると背面にもアクセス出来るようになります。

背面にはCPUファン、システムファン、ヒートシンクと放熱/冷却システムがびっとりと搭載されています。

ヒートシンクのネジを外すと、PCIe 3.0×4スロットとPCIe4.0x1のスロットが現れます。下のグレーの部分にはメモリが2スロットあり、換装可能。

それにしてもデフォルトの1台のSSDにプラスして、更に3台のPCIe SSDがこのコンパクトな筐体に搭載できるのは凄い。
しかもRAID 0/1が可能です。実質RAID1で運用するのが正しい姿とは思いますが、コンパクトなPCでデスクトップ プロセッサ搭載で、RAIDも組めてというのはかなり変態です。(褒めてます)

ちなみに上の写真の下側にはRyzen 7 8700Gがあり、換装も可能です。ただ実際にはベアボーンの方以外は触る事はあまり無さそうですね。

縦置き横置きどちらも対応

背面にゴム足があるので、基本的には横置きになると思います。

しかし縦向きでもOKそう。ただ安定性は劣るのであくまで多少工夫すればということにはなりますが、それでもこれだけコンパクトでスリムなら縦置きにしたくなります。

ベンチマーク

MinisforumMS-A1の実力をベンチマークで試してみました。

まずはCrystalDisk Mark。1TB PCIe MVNe SSDを搭載しているのですが、結果は以下の通り。

シーケンシャルリードで4779.74MB/sとNVMe PCIe SSDとしてもかなり高速です。
実際起動も速く、電源オンから12秒程度でデスクトップ表示となりました。

続いてgeekbench 6.3のスコア。シングルコア 2605,マルチコア 13333,OpenCL 32756というスコアです。
シングルコアのスコアは13世代 Intel Core i7 13700、Intel Core i9 12900K、AMD Ryzen 9 7845HXあたり近いスコア。
マルチコアの13333はIntel Core i9-12900、Intel Core i7-14700HXあたりとなります。
かなりパワフルなのは間違いなく、さすがはデスクトップ用プロセッサ。

グラフィックは、AMD Radeon 780M が搭載されているため、OpenCLの32756というスコアはIntel Iris Xeのような内蔵グラフィックスと比較すると断然です。

FF14 黄金のレガシーベンチをためしてみましたが、結果は”普通”でした。画質的にはフルHDですが、これならプレイ可能そう。

ドラゴンクエストX ベンチマークでは、すごく快適となりました。

実際、Steamで最近安かったデトロイトをダウンロードしてプレイしましたが、非常に快適にプレイ出来ています。

もちろんPhotoshopやIllustrator、Lightroomなどのadobe製品群、Officeにより資料作成、ブラウザといった作業も余裕で、ストレスなく使えます。

総括 : とにかく快適

MinisforumMS-A1を1ヶ月程度使っていました。
最初はこのコンパクトな筐体から、パワーという面を期待するのは酷かなという印象でしたが、Ryzen 7 8700Gは非常に強力で、GPUもよほど過度な負荷を求められるゲーム以外はちゃんと動くので、なんら不満やストレスなく使えることに驚きました。

当然ながら、Webブラウジング、NetFlix等の動画配信サービス、Office系文章作成は至って快適です。

そもそもMSシリーズがワークステーションとして販売されていたのもありますが、それにしても充分なスペックです。

またPCIe SSD 4機搭載可能な為、メイン機として使ってもRAID1を組めばデータ保全という意味でも完璧。

金属製筐体、3機のクーリングファン、放熱を強く意識したスリットのある筐体など、小さいが故に起こりがちな熱対策もしっかりとしています。

コンパクトなデスクトップPC、ハイスペックである程度もゲームも動画編集もと欲張りたいなら、MINISFORUM MS-A1は最適だと思います。

このMinisforumMS-A1、ベアボーンだと41,580円、Ryzen 7 8700G+32GB+1TB版で127,980円です。

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