第12世代のIntel Core i5-12600Hを搭載したミニPC「MINISFORUM NAB6 Lite」を使ってみました。
手のひらサイズのミニPCはもはやハイエンド分野にまで浸透していますが、NAB6 Liteはスペックと価格のバランスに優れたミニPCです。
MINISFORUM NAB6 Lite ミニPCの特徴
MINISFORUMはローエンドからハイエンドまで、はたまた外部GPUをミニPCに接続できるデバイスまで発売する尖ったメーカーです。
今回レビューするMINISFORUM NAB6 Liteは、その中でも比較的中核に位置するミニPC。
それでもスペックは比較的高く、第12世代のIntel Core i5-12600H 12コア16スレッドのプロセッサを搭載したミニPCとなっていて、ベアボーンなら4.6万円、16GB+512GB版で6.2万円、32GB RAM+1TB SSDの最高スペックのもので約7.2万円と、トータルスペックを考えれば恐ろしいハイコスパです。
今回レビューしているのは、32GB RAM+1TB SSD構成。RAMは16GBx2のデュアルチャンネルですが、最大32GBx2の64GBまで換装可能。SSDもPCIe MVNe SSDを2TBまで換装可能。
ストレージに関しては、更に2.5インチのSATA 3.0接続 SSD/HDDが増設可能なので、容量に不満があるなら増やす事ができます。容量としては最大2TBまで可能。
拡張ポート類も以下のように豊富です。
USB Type-C、HDMIと合わせて、映像出力ポートが4つある為、この小さい筐体にもかかわらず、4つのディスプレイでマルチディスプレイも可能です。
- 2.5G LAN イーサーネット(有線LAN) x2
- USB 3.2 x4
- HDMI2.0 x2
- 3.5mmイヤホンジャック/マイク
- USB Type-C 3.2 Gen1 x1
- USB Type-C 3.2 PD/DP Alt x1
- USB Type-C 3.2 DP x1
*MINISFORUM様よりお借りしてのレビューです。
主要スペック
Minisforum NAB6 Lite | |
ディスプレイ | – |
CPU | Intel Core i5-12600H 12コア16スレッド Max 4.5GHz |
メモリ | DDR4-3200 16GB/32GB *最大64GB |
ストレージ容量 | 512GB/1TB M.2 2280 PCIe4.0(NVMe) SSD *最大2TBまで2.5インチ SATA 3.0 SSD/HDD増設可(7mm) |
OS | Windows11 Pro |
カメラ | – |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (WiFi6) Bluetooth 5.2 |
インターフェース | 2.5G LAN イーサーネット(有線LAN) x2 USB 3.2 x4 HDMI2.0 x2 3.5mmイヤホンジャック/マイク USB Type-C 3.2 Gen1 x1 USB Type-C 3.2 PD/DP Alt x1 USB Type-C 3.2 DP x1 |
バッテリー/急速充電 | – |
重量 | – |
サイズ | 127×127.5×54.7 mm |
梱物と本体周り
同梱物は、120W ACアダプタ、HDMIケーブル、マニュアル、ネジ一式、VESAブラケットです。
ACアダプタは日本で使えるコンセントタイプで、ちゃんと2pin。そのまま挿せます。結構ミニPCだと3pinがあるのでかさばるのですが、さすがMINISFORUM。
マニュアルは基本図解で、多言語仕様で日本語もあり、分かりやすい。
前面には電源ボタンとUSB 3.2 Gen2 x2、USB Type-C (USB3.2 Gen1 Dataのみ)。イヤホン/ヘッドホンジャック。
サイズも127×127.5×54.7 mm角とコンパクト。
側面は放熱スリットが入っています。
背面にはUSB 3.2 Gen2 x2,USB Type-C x2(左は映像出力/右はPD/DP Alt)、2.5G LAN x2、HDMI x2となっています。
しかしこの小さな筐体の背面に、これだけの機能/ポートをよくぶち込んだなと感心します。
USB Type-Cも端子ごとに機能制限がありますが、図示してあるので間違いがないようにできています。このあたりの親切心はさすがですね。
コネクタによっては干渉しやすいミニPCですが、配置は比較的余裕があります。HDMI端子を離して配置しているなど、かなり工夫の跡が見えます。
ちなみにUSB PD給電での動作はできません。
メモリ/SSD換装の容易さが凄い
また凄いのがメンテナンス性。
上部蓋のオレンジシールのところをちょんと押すと、簡単に表蓋が取り外せます。ミニPCというとネジで外すのが一般的ですが、この容易さは素晴らしい。
中には、SSD、ワイヤレスLAN、DDR4メモリにアクセスできます。また付属のSATAケーブルを差し込むコネクタもあります。SSDはヒートシンク+ファンという徹底した冷却仕様が凄い。
メモリは今回は16GB x2 のデュアルチャネル。換装すれば64GBまで可能ですが、デフォルトで32GBも搭載されていればかなり余裕があります。
外した蓋側に、2.5インチSSD/HDDが増設可能です。付属のSATAケーブルをマザー側に挿して、蓋側にSSD/HDDを入れて付属のネジで固定するだけで増設できます。SATAなのでだいたい500MB/sぐらいでしょうが、手持ちのSSDがあれば簡単にストレージ増設できるのは助かります。
ベンチマーク
MINISFORUM NAB6 Liteの実力をベンチマークで試してみました。
まずはCrystalDisk Mark。1TB PCIe MVNe SSDを搭載しているのですが、結果は以下の通り。
シーケンシャルリードで4810.73MB/sとNVMe PCIe SSDとしてもかなり高速です。
実際起動も速く、電源オンから12秒程度でデスクトップ表示となりました。
続いてgeekbench 6.3のスコア。シングルコア 2256,マルチコア 10503,OpenCL 10560というスコアです。
シングルコアのスコアは現行Intel Core 7 150U、Intel Core i7-12700T、AMD Ryzen 7 8840Uあたり近いスコア。
マルチコアの10503はRyzen7 5800X、Intel Core i9 10850Kあたりとなります。
つまりはともかくパワフル。
グラフィックは、Intel IrisXとなっていて、さすがにOpenCLの13106とディスクリートGPU付きと比較するとは厳しい結果ではあります。。それでも以前のGeForece GTX960M程度はあり、オンボードGPUとしてはそこそこ悪くはない。
一応FF14 黄金のレガシーベンチをためしてみましたが、結果は”設定変更を推奨”でした。
ドラゴンクエストX ベンチマークでは、とても快適となりました。だいたい70-80fpsは出ているので、ドラクエXは余裕。
つまり重すぎないゲームなら全然余裕です。
総括 : とにかく快適
MINISFORUM NAB6 Liteの得意分野は、一般的なPC使いでの快適性でしょう。
当然ながら、Webブラウジング、NetFlix等の動画配信サービス、Office系文章作成は至って快適です。。
ゲームはライトゲームなら余裕。DDR4メモリという事でスペック上は妥協感はあるのですが、実際は必要十分以上です。普通にPC使うだけならDDR5にしたからといって体感できる速度差はありません。結果、お値打ち感のあるDDR4メモリが正解という事。
静音性も高くてリビングで使っていても音が気になる事もない。
工具レスで上蓋が取り外せる仕様、背面のコネクタ達が干渉しないような配置など、MINISFORUMらしい気配りの利いたデザイン力は、PCをいろいろ触ってきた方なら「いやすげえな」と呻らされるはずです。
つまりは「なにをしても快適」の一言。
普段Office文書作成/ネット/動画視聴程度。ゲームはそんなにやらないけど、ローエンドPCでギリギリ動作させるのは快適性がなくてイライラするのが嫌だからある程度数年はもつ快適性が欲しい。
そしてゴテゴテしたデスクトップパソコンも使いたくない。
そんな方にはぴったりなPCです。
MINISFORUM NAB6 Liteは、ベアボーンも選べますが、16GB+512GB版で6.2万円、32GB+1TB版で7.2万円程度です。
これだけの性能で6万円ちょいはかなり安いし、+1万円でRAM/SSD倍増できるのでこちらもお買い得です。