Appleが大々的に売りだしたApple Watch.
それがアメリカのデータですが、全く売れなくなっているというデータが公開された。
元ネタは、こちら。
Opinion: Apple Watch sales plunge 90%
既にこのデータはYahooニュースなどにもなり、かなり出回っているデータですが、改めて見るとかなりの失速ぶりに驚きます。
Appleの公式発表ではないものの、ちゃんとした金融アナリストの記事だけに信頼はおけそうです。
データdailyで毎日何台売れたかを示しているのですが、4月の発売日あたりは20万台/日と絶好調。
その後2万台を推移していたものの、6月に入り乱高下し始めて、現在で4000台で、最悪の時は発売当初比で90%減という惨劇。
これはたったの3ヶ月の出来事です。発売から3ヶ月ですよ。3ヶ月。
なぜこうなった?
これはあくまで私見ですが、個人的にはApple Watchにはなんにも物欲が沸かないのと一緒なのかなと。
つまりデバイスとしての魅力はほぼ無い。安ければ使ってみようとは思いますが、安いスポーツモデルでも4万5000円以上するデバイスの人柱はふつーはちょっと無理。それならスマホなりタブレット買ったほうがより現実的に役に立つ。
なぜ物欲が沸かないか・・・
それは「何の役に立つか、Appleが訴求できていない」という点じゃないでしょうか?やはり。
発売時にも同様に「Apple Watch何に使う?」という記事にしましたが、あまり状況は変わっていないようです。
【デメリット】
・母艦としてiPhoneが必要な腕時計。
・毎日充電が必要な腕時計。
・時計としても高い価格
・iPhone以上に何ができるかが明確ではない腕時計
【メリット】
・かっこいい
・メールが見れる
・電話できる
・未来的?
うん。これじゃなんか割にあわない。
しかも一番安いApple Watch Sportsでも物欲が沸かないデザインな上に、4.5万円は高い。
このバンドとかApple Watchじゃなかったら子供のおもちゃかと思ってしまう。
Apple信者であればこうしたデメリットに目をつぶるんでしょうが、一般の人達はファッションとしてApple Watchを買った場合、あまりに使い道がなさすぎて困るんじゃないかと思う。この点、Appleは「魅力の訴求」をアプリ開発者に投げてしまい、自分たちで魅力的な使い方は何かを示せていないのではないかと思う。
自分が「あったらいいな」と考える使い方としては、iPhoneで撮影してると嫌な目線が気になる所でApple Watchで撮影したり録画出来たり、録音したり、そういう事ができればなぁーとは思う。レストランで友達に「こんなの食べてるよ」とLINEで送るだけで、別にブログで酷評するつもりじゃなくても、料理の写真を撮ると嫌な顔をするところはある。音も出るしね。
ですが私のような考え方は、要は盗撮まがいであって、当然推奨できない。
結局これもスマホがあれば解決するし、スマホ以上の使い方ができているわけじゃない以上、必要なデバイスかというと?です。
いやむしろ無駄でしょう。
iPhoneを持っていて、それを母艦にしてApple Watchが成立するのであれば、iPhoneで出来ないことをApple Watchができるようにならないと意味が無いのは当たり前で・・・。ちょっと便利でしょ程度だと誰も欲しがらない気がします。いや、これ発売当時はこういう事言うと「分かってないなー」みたいなしたり顔で否定されていたんですが、現時点では少なくとも「もう欲しい人はあまりいない」ということなのかなと感じています。
そういう意味では、自分はマーケティング的にはイノベーターにもアーリーアダプターにもなれていないわけで、こんなブログを書いている本人としては「どうかな?」とか思うのですが、それでもやはり必要であったり欲しいと思う物欲を刺激するものが欲しいのです。
結局のところ
このApple WatchはApple信者向けのデバイスだったという事でしょう。
そもそもAndroid系ですでに出ていたSMART Watchという世界に、「Appleデザイン」で乗り込んでみたものの、価格も高いし使い道もよく分からないデバイスだったという所かと思う。もちろん、心拍などで健康管理デバイスとして使い道を見出している方もいらっしゃると思いますが、それはApple Watchがイノベーティブであったからではなく、既存のデバイス機能を取り込んだだけ。
スティーブ・ジョブズ亡き後、Appleってイノベーティブなプロダクトを考えだしているか・・・というと、自分的には皆無なんですよね。
以前、下記のような記事(↓この記事下部にLink貼りました↓)を書いてますが、自分は決してAppleが嫌いなわけではなく、むしろデジタルデバイスの世界を革新してきたメーカーとして尊敬してます。ipod touchから始まりiPad,iPad mini,iPhone,iPad air,Macbook air11と使い倒してきました。
しかし最近のAppleは、iPhoneはマイナーチェンジやサイズアップ程度でごまかしているとしか思えないし、macにしてもiPadにしても「おっ。凄く使いやすい」というほどの革新さは無くなった。いまAndroidより優位なのは「Apple」や「iPhone」というブランドであって、価格に対してデバイスとしての魅力に乏しい品物を売っている会社というイメージしか無くなってしまったのです。(同じ性能ならAndroidデバイスのほうが半額以下で買える)
Apple Watchのように、「Appleが売るぞ」となれば、飛びつく人たちが世界にはまだいます。
しかし、やがて今回のApple Watchの売上のように、たったの3ヶ月で見切られているようなデバイスを売り続けると、ブランドイメージも怪しくなります。
いやむしろそのほうが、Appleも本腰を入れてイノベーティブなデバイスを売らなければ生き残れなくなる可能性もでてくるわけで、その方が良いのかもしれません。今のようにAppleブランドの商品を売れば、とりあえず馬鹿売れする時代よりは。
過去のAppleに危機感を持った記事
・正式発表のApple Watch・・・果たして何に使う?
・新型MacbookとApple Watchを見てAppleの没落を感じる
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