万能型NAS/ホームサーバー「ZimaCube」レビュー – 最大10ストレージ 164TBの超大容量をRAIDでバックアップし繋ぐだけでパーソナルクラウドホームサーバーになる簡単さをワンパッケージ

自宅や職場で各PCに保存されているデータや、スマホなどのモバイルデバイスのデータのバックアップや管理、容量不足に悩む事はないでしょうか。そうした場合はNASであったりファイルサーバーを導入するのが一般的。

そうした悩みを解決するクラウド化で場所を選ばずデータ共有や共同作業ができるパーソナルクラウドNAS(ネットワークアタッチトストレージ)「ZimaCube」を使ってみました。

NAS兼ホームサーバーとしては特大の最大164TBストレージ容量と、1GB/秒の高速データ転送を特徴としたNASです。

未来のNAS「ZimaCube」

ZimaCubeはICEWHALE TECHNOLOGYという上海のテクノロジー企業の製品。
ZimaCubeのメリットはまずはNASとして個人/仕事/家族の共有しておきたいデータを保存しネットワークからアクセスできる環境を作れる事です。

これだけではただのNASですが、更に高速転送が必要な業務や環境に最適です。

例えば、クリエイターのような仕事であれば大量の動画や写真データを効率的に保存・管理でき、リモートでのアクセスも可能です。
また、Thunderbolt 4対応や生成AI機能により、データ処理が高速かつスマートに行えるため、プロフェッショナルな環境でも活用できます。スマートホーム機器との連携を活かし、家庭やオフィスの管理にも役立ちます。旅先/出張先であってもネット回線さえあれば、ZimaCubeに保存したあらゆるデータにアクセス可能です。

ZimaCubeの特徴は以下の通りです

  • 大容量ストレージ: 最大164TBの保存容量
  • RAID: 0/1/5の3モード
  • 高速データ転送: 1GB/秒の転送速度
  • Thunderbolt™ 4対応: 高速接続のサポート
  • 生成AI機能: AIを活用したデータ処理
  • スマートホーム統合: スマートホームデバイスとの連携
  • クラウドアクセス: ローカルだけでなくリモートからアクセス
  • パフォーマンス: Alder Lake 世代のIntel N100 , 8GB/16GB RAM , 256GB NVMe SSD
    *ZimaCube Proは Intel Core i5 1235U, 16GB/64GB RAM

ストレージ容量はなんと164TBと超大。

ホットスワップ可能な3.5インチベイx 6と、NVMe M.2 SSD x 4が増設でき、本体には256GB SSDが内蔵されています。

このZimaCubeはMakuakeにてクラウドファンディングがスタートしています。

*ICEWHALE TECHNOLOGY様からお借りしてのレビューです

同梱物と本体周り

同梱物は本体、ACアダプタ、LANケーブル、USB Type-Cケーブル、マニュアル、各種ネジ、ドライバーとなっています。
ACアダプターは20cmぐらいありかなりデカイ。

マニュアルは英語版でしたが、日本発売時は分かりやすい日本語版が添付される予定です。

ZimaCube自体はこのようにシンプルな前面。USB x2,Thunderboltポート(USB Type-C)、ヘッドホンジャックがあります。
下部のスリットはカバーになっていて外す事ができ、HDDベイにアクセスできます(後ほど解説)。

背面。USB x4,2.5GbE LAN端子x2、DisplayPort(1.4)、HDMI 2.0、ACアダプタ口があります。

ACアダプタを電源に繋ぎ、ルーターにLANケーブルで直結すれば、それでセットアップは完了と非常に簡単。

上部にあるスライダーを解放すれば、上蓋が外れます。

内部には、256GB NVMe SSD、 16GB RAMがあり、基本的にはPCと同じ。PCIeスロットx2もあり、GPUを搭載する事も可能。

HDD/SSDベイはホットスワップ可能

前面パネルはマグネットで付いているだけなので手で簡単に取り外し可能で、取り外すとHDD/SSDベイが出てきます。

HDDベイはドライバレスで簡単に引き出せます。

3.5インチ/2.5インチのHDD/SSDを取り付け可能。ネジは付属しています。
あとは元に戻すように押し込むとすぐに認識されます。3.5インチベイ6台はRAIDを組むこともできますので、データバックアップも容易。

一番右の第7ベイには、NVMe SSDが最大4台も取り付け可能。

背面には2機のファンが備えられていて、熱対策もしっかりしています。

NASとして使ってみた

使い方は簡単で、電源繋いで、LANケーブルをルーターやハブなどの家庭内LAN環境に接続するだけ。
LAN環境の先はインターネット接続が必要です。
NASというと難しいように感じますが、自宅にインターネット環境があれば、ルーターはあるでしょうから、そこに有線LANケーブルを繋げば良いだけなので本当に簡単です。

スマホからはZimaClientというアプリをインストールすれば使え、PCも同様にClientソフトをインストールすれば使えます。
また、ブラウザからZimaCubeの宅内IPアドレスを直打ちしてもアクセス出来るようになっています。

ZimaCubeにアクセスできれば、スマホ、タブレット、パソコン等のあらゆるデバイスからアクセスできる為、スマホで撮った動画を素早く共有したり、出先でZimaCubeに保存してある動画にアクセスして視聴したりといったことが簡単にできます。

家庭内で2.5GbE LANデータ転送してみましたが、HDD内への転送で、だいたいPC – ZimaCube NAS間への転送が200MB/sは出ています。
PCローカルのSATA SSDよりは多少遅いものの、それでもネットワーク経由としては非常に高速の為、動画編集データをZimaCubeに置いて実行したりといったことも可能だと思います。SSDへの転送ならもっと速くなるはずです。

Zima ClientをPCにインストールするとタスクトレイに常駐し、バックアップをするフォルダーを指定したり、IPアドレスを確認したりすることができます。

HDD/SSDは後述するZima Client内のストレージマネージャーで管理ができます。(上記のOpen Dashboardで起動)
今回はHDD1,SSD1という構成しかできなかったので各々ただのストレージですが、HDD/SSDを複数台搭載すれば、このストレージマネージャーでRAIDが簡単に組めます。RAIDは0/1/5が可能な為、RAID 1/5を使ってストレージのバックアップ/冗長性を確保することが出来ます。PCでRAIDを組むのはHDD/SSDを取り付け/設定するだけでも億劫ですが、こうしたNASであれば素人でも簡単にバックアップシステムを組めます。RAID1/5を設定してあれば、どこのドライブが壊れようと、そのドライブをホットスワップ(電源入ったまま)で交換可能で、交換後は自動的にRAIDでバックアップしてくれる非常に便利なデバイスです。

ZimaOSとアプリ

GUIインターフェースとしてZima Clientが用意されています。

見た目でだいたい何が出来るようになっているか分かるので、なんとなくここを触れば良いのねと分かります。

以下のようにデフォルトで、CPU/RAM使用率やネットワーク負荷がモニターできたり、ストレージ容量の確認もできます。

アプリはデフォルトで入っているもの以外にも多数がインストール可能となっています。
このあたりは普通のNASではなく、かなり汎用性の高いホームサーバーといったところです。
但しほぼ全てが英語版のアプリです。

それでもChatUIやPHOTO関連とか、torrent関連などなど、NASというよりホームサーバーとしてやらせたい機能などを盛り込んで自分なりのホームサーバーを作り上げる事ができます。

 

デフォルトでインストールされている”Plex”はメディアサーバーアプリ。
動画をライブラリーに登録すると、一覧表示されるようになり、これでどこでも動画閲覧が可能。

またCalibre-webというアプリをインストールすると、ブックリーダー的な本棚にアクセスでき、電子書籍を読めたりします。これをカスタマイズすれば、PDFや自炊したデータがあれば、自分なりの本棚も作れそう。

PhotoPrismというアプリを使えば、アプリ上で写真をガンガンアップロードすると、ZimaCube内に保存され、アプリ上では勝手に仕訳されて見やすく整理してくれます。

こうしたアプリを使いこなせば、より便利になります。但しほぼ英語なのでかなり自力で頑張る必要はあります。それでも”いろいろできる可能性がある”のは、やりたい人にとっては重要です。

まとめ

ZimaCubeは、自宅/仕事場にある大量のデータのバックアップや、写真等を家族や友達で共有したい方、しかしNAS自体がシロウトにはとっときにくいと敷居が高くて導入はちょっとと構えている方にとって、その敷居を下げてくれる製品であり、またプロユースでも充分に使える製品です。

使い方は有線LAN接続し、あとはZima Clientでちょちょっと設定するだけ。
そこまでできれば、アプリで直感的に操作でき、データはドッグアンドドロップでZimaCubeに入れるか、バックアップフォルダを指定すればOKで、あとはスマホだろうとPCだろうとネットにさえ繋げられれば世界中から簡単にアクセスできる。

ストレージもHDD/SSDがトータル10台接続でき、最大164TBと超大なストレージが確保でき、データはRAIDでバックアップシステムも組める。

プリインストール/追加でアプリをインストールすれば、(多少敷居は高いが)よりディープに使いこなせる奥深さもある。

このように繋ぐだけで超高速ホームクラウドサーバーが出来ちゃう簡単さが凄いです。
私は自宅でNASを使っていますが、ファイルサーバー、メディアサーバー、ホームサーバー等も兼務するこのZimaCubeを使って、時代が変わっていくのを痛感しました。

Makuakeでのクラウドファンディング

ZimaCubeはMakuakeでクラウドファンディング中です。
価格はIntel N100+ 8GB RAM版が13万5,150円で超早期割引価格となっています。
またCPUがIntel Core i5 1235Uとなる ZimaCube Proは21万5200円からとなっています。
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