auが2年縛りを見直しへ!他社を凌駕する1手は打てるのか?


auが2年縛りを廃止へ
auがとうとう2年縛りを見直すと発表しました。

KDDI(au)の田中孝司社長は7日、総務省から改善を要請された携帯電話料金の「2年縛り」を見直す考えを示した。2年ごとの自動更新を改め、最初の2年だけ料金を割り引くプランを検討中だという。大手3社で見直しを表明したのは初めてで、残る2社も追随する見通し。

4~6月期の決算発表会見で述べた。携帯大手3社の一般的な料金割引プランでは、2年ごとに訪れる契約の更新期以外に解約すれば、違約金が発生する。利用者の契約を不当に縛っているとの批判があり、田中社長は「改善に向けて取り組んでいる」と話した。
出典 :http://www.asahi.com/articles/ASH875PY2H87ULFA026.html

本当にユーザーにとって良いプランになるか?

この文章だけ読むと、そのまま2年の間は割引で、2年契約終了後は自動更新をしないっぽいが、「自動更新を改め」と書いてあるだけで自動更新しないとは言っていないあたりが微妙。最初の2年間の割引というのも、今までと同様で毎月割と変わらない気がする。

もし自動更新しないのであれば、当然いままでの収益構造は得られないわけで、自動更新しないプランと、自動更新するプランで2通り存在し、恐らく自動更新無しのプランは「割高」なプランを用意してくると予想される。

まぁこれは私の勝手な予想であり、いままでのキャリアが取ってきた施策を見ているとこういった「改善しますよ」という話は、いかにもユーザー寄りにしてますというアピールをしつつ実は既得権(収益)をキープするだけのネガティブで分かりづらいプランだったりすることが多いので、どうしても「どうせまた・・・」と穿った見方をしてしまう。

auは渾身の1打を打てるか?

auの現状を見てみましょう。
以下はスマホキャリア3社の契約者数推移。
携帯各社契約者数推移
堅調に伸びています。しかしこれはそろそろ頭打ちで、日本の人口の数よりも多い契約者数となっていて、一人2台(それも両方)ともauなどのキャリア契約をするような状況というのは、普通の人のお財布事情からするとあまり考えられない。そうするとやはりこれ以上は増えないとかんがえるのが妥当でしょう。

そんな中、auのシェアはと言うと、これも頭打ち状態。スマートフォンキャリアのシェア推移ドコモのシェアがここ5年で5%も下がっているのに、auはほぼ横ばいでSoftbankに全部持って行かれていて、シェアとしては肉薄されている状況。

auはキャッシュバック施策などで、他社を圧倒するほど『お金』をばらまいていますが、それでもこのシェアというのは『何とかしなければならない』という状況と言えるでしょう。

SIMフリー端末と格安SIMの台頭、キャリアでのSIMロック解除など、時代はauにとって厳しい状況に追い込みつつあります。

結局安易なプランで落ち着くのか?

2年縛りに関しては、不当だと裁判が起きるほどキャリア側に有利な契約です。
告知なく契約を更新し、2年ごとの更新月でなければ違約金が発生するなど、明らかなユーザー縛りであるわけです。

こういった負のイメージは逆に言えば、チャンスです。
ユーザーが渇望している事であり、それを満たすようなプランであれば、喝采で迎えられるでしょう。

そういったことはauも他キャリアも分かっているはずですが、できないのは既存の収益を破壊する可能性があるからです。
いわゆる「養分」と呼ばれる、何も文句も言わずただただauやdocomoに毎月1万円もの通信費/電話代を10年以上払い続ける超・優良顧客たち。

そんな優良顧客はそのまま「養分」としたいからこそ、「新しいプラン」として『2年縛りが嫌な人向け』を用意するだけなのです。

優良顧客は何も知らないまま、まだまだ養分として居続けてもらう。
うるさい客には「一応そういった方向けのプランもありますよ」。
そういった施策なのでしょう。

そう考えると、auの社長の発言は、革新的なプランが登場するというより、新規やMNPの顧客向けだけに適用されると想定され、既存の2年縛りユーザーに対しては24ヶ月ごとの更新時に積極的に「あなたの2年更新が近づいてます」と言った事はしないと思われる。

養分には余計な知識を付けたくない。
それがauの姿勢だとしたら、今後もシェア構造が変わるような一手にはなりそうにもありません。

個人的にはせっかくauという会社が「自分たちは顧客志向に変えていきます」と言い張るチャンスだと思うのですけどね・・・
現在も誰でも割のような縛りありと無しのプランが併設されてますが、縛り無しはバカ高いプランだと結局施策をしても意味が無いことになってまいそうです。

「みなさんの不満を解消します!」という折角の機会。もったいないなあと。
(あくまでauの発表からの私の推測でしかありませんが)

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