auの「スーパーアップグレードキャンペーン」はオトクか罠か?計算してみた

auは2015年9月18日から、「スーパーアップグレードキャンペーン」を実施します。ひauのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた
概要としては、月300円払えば、12ヶ月後に機種変更できる権利と、7ヶ月分の残債をauが実質0円にしますよというもの。

下記がauが出しているスーパーアップグレードキャンペーンの図なのですが、はっきり言って良く分からない(汗)auのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた

スーパーアップグレードキャンペーンとはどういうものか?

これはもともとauが実施していた「アップグレードキャンペーン」の改訂版なのです。auのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた

端末を24回払いの分割購入した場合、その支払いが終わらない状態で「機種変更をしたい」となると、残債が発生します

例えば1年半の18ヶ月経過し、19ヶ月目に機種変更した場合、19ヶ月目~24ヶ月目までの6ヶ月間の残債が残ります。

これが足枷になり、普通の人は「あと6ヶ月待って機種変更したほうがオトクじゃん」となるわけです。で24ヶ月経過すると、端末代金の支払いは終わるし、2年縛りも解けてしまうので、「docomoやsoftbankいくか」となってしまう。そう・・・auから見れば買い控えされ、顧客にも逃げられる可能性があるという事です。

そこで既存のアップグレードキャンペーンでは、18ヶ月で機種変更を可能にし、300円x18ヶ月をオプションで払い続けていれば、19ヶ月目~24ヶ月目の残債はauが持ちますよと。
これで2年契約が切れたお客がauからdocomo/SoftbankなどにMNPで流れるのを防ぎたかったというわけです。

ではスーパーアップグレードキャンペーンはというと、その機種変更時期を更に6ヶ月前倒しして、12ヶ月で機種変更を可能としたという点が違います。また6ヶ月前倒し費用が2000円取られます。(iPhone6S/6S Plusを分割購入した場合キャンペーン中で無料)

ただ、キャンペーン参加費の300円x6ヶ月=1800円の支払いが無くなるわけですから期間前倒しと相殺という感じもします。

残債は概念上残ってユーザーを縛る?

ちょっとここからはau発表のキャンペーンの中身を読み解いただけで確実じゃないかもしれないのですが、詳細が分からないので「auのHPを見る限りこう考えられる」という見解を示します。

このキャンペーンは「機種変更の権利が12ヶ月目で手に入る」だけで、残債は残るんじゃないかと。図を見ても12ヶ月目~17ヶ月目はauが払ってくれるとは書いてません。
auが持ってくれるのは18ヶ月目~24ヶ月目の7ヶ月分の残債を0円にしてくれるだけ。そう。12ヶ月目~17ヶ月目の6ヶ月の残債は残ります。

つまり、12ヶ目~24ヶ月目の残債のうち、7ヶ月はauが持ちます。
しかし残り6ヶ月はユーザー持ちで、残債が26,000円残っていた場合、7ヶ月分の14,000円はauが持ち、残り12,000円はユーザーが払う。それも契約上は24回払いが続きますから、残りの13ヶ月の分割で払う格好になるはずです。(923円/月)

機種変更の時点で残債が相殺されて、新機種の支払いに一本化されるわけではないのです。

よってこの期間の間にauを解約すると、新端末の分割購入サポートの代金+残債分の13ヶ月分を全て一括で払えという話になるかと。

これであってるかまだ確証はないですが、もしそうなら相当の縛りとなりそうです。

旧端末はauに没収される

このスーパーアップグレードキャンペーンを利用して、新端末を手に入れた場合、旧端末はauに没収されます

1年しか使用していない端末ですが、動けば全て没収。
水没反応あり・充電不可・画面割れなどがある端末の場合は、このプログラム自体使えません。まぁこれはauの場合安心ケータイサポートに加入していれば解決できそうですね。
しかし買った端末が1年でauに没収されるのはちょっともったいない話です。
このあたりは損得計算してみないといけないですね。

本当にオトクか計算してみた

一応、私の理解している概念の元計算してみました。

ざっと費用関連とりまとめ。

iPhone6s 16GB
端末価格 ¥73,440
分割支払い金/月 ¥3,060
毎月割 ¥2,175
実質分割支払い金/月 (A) ¥885
キャンペーン代/月 (B) ¥300
キャンペーン適用時の端末代総支払額 (A)+(B) ¥1,185
6ヶ月前倒し金(iPhone6S/6S Plus以外) ¥2,000

こういう条件の元、12ヶ月目の来年の9月にiPhone7(仮)に機種変更したと仮定した場合の残債の推移です。auのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた

12ヶ月目での残債は、39,780円。
このうち最後の7ヶ月をauが負担するので、-21,400円を割り引いてくれる。
残った18,360円には「毎月割」が適用されないので、13ヶ月目~18ヶ月目までの単純に6ヶ月分の残債分の支払いが月々3060円発生する。
これにiPhone7(仮)の代金がプラスされていきます。それに再び「スーパーアップグレードキャンペーン」への加入が義務づけられるので+300円もかかります。

こんなイメージですね。

オトクかと言われるとauが21400円も払ってくれるのだから一見お得な気もしますが、端末が没収されることを考えると、その端末が21,400円以上の価値がある場合は損でしょう。

iPhone6S 16GBが、ボロボロでは無い限り、中古ショップやヤフオクなどで売り払えば、残債の39,780円は完済できると思います。

売り払う時期にも寄りますが、少なくとも現時点でau版iPhone6 16GBは40,000円以上でヤフオクで売れます。ただ6Sが販売されれば、6の価格は暴落するので、このシミュレーションで言うとiPhone7が出る前に6S売り払うと端末が無くなりますから難しい面もありますね。

しかしそれでもauの端末没収価格21,400円以上では売れるでしょうから、使用中の端末は売ってしまったほうが明らかにオトクです。

また、分割支払い金自体はiPhone7に乗り換えてからも6ヶ月続くわけですし、auが負担する最後の7ヶ月分も解約したらその分残債を全部支払わなければならず、かなり人を縛ります。毎年このキャンペーンを使って、新型iPhoneに乗り換えると言うことをしていると、機種変更後の半年は残債と端末代をダブルで支払い、また乗り換えるとその残債+新端末(iPhone7S?)代を支払うという雪だるまのような仕組みになっていきます。
なんか怖いですね。

auを解約すると更に地獄が待っている

また違った切り口で、iPhone6S→iPhone7に1年後に乗り換え、「auは高いのでdocomoや格安SIMに乗り換えたい」となった場合、iPhone6Sの残債、iPhone7の残債のダブルがかかり、更に2年縛りの違約金も発生します。

どの程度の残債になるかちょっと計算してみました。
ここではスーパーアップグレードキャンペーンの制度を使ってiPhone7に機種変更後、即解約した場合と想定しました。

12ヶ月目の残債 ¥39,780
iPhone7(仮)の残債 ¥70,380
2年縛り違約金 ¥10,260
合計 ¥120,420

12万円!
まぁーこの金額は最大値で機種変更即解約で毎月割もスーパーアップグレードキャンペーンの特典も受けにくい状況ですから非常に高いのですが、それにしても高すぎる。これが分割購入の恐ろしいところで、残債は当然残るのは当たり前なのですが、auからの毎月割とスーパーアップグレードキャンペーンを受け続けないとしこたま金をむしり取られるので解約できないということです。

複雑な仕込みの裏には罠あり

このキャンペーンを利用して、幸せだという人。それは
・ずっとauから乗り換えないと心に決めている人
・端末は毎年新しくしたい
・端末を中古で売るのは面倒
・手間賃考えてもこのキャンペーンは納得出来る
・月々1000円~2000円今より負担増になっても毎年新端末使えるなら平気

そんな人達でしょう。

で、auはiPhone信者(Androidでも良いわけだが)の懐から更にお金を引き出す事に成功し、auにもつなぎ止める事ができるわけです。

結局はキャリアに取り込まれていく仕組みであり、解約すると莫大な端末残債と違約金が待っているわけです。もちろん端末を乗り換えず24ヶ月目で解約/MNPする事で一旦途切れるわけなのですが・・・・

こんなイメージですが、違うのかな?ローン地獄を誘発しているようにしか見えないんだけど。ひauのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた

このキャンペーンが怖いのは、スーパーアップグレードキャンペーンの費用が300円/月掛かるにも関わらず、もし機種変更しなければau Walleにポイントバックするという罠まで仕掛けられている事。「使わなければwalletチャージされるので、とりあえず入ってください」はきっとau端末を購入するときに言われるでしょう。もちろん損はしないが、このスーパーアップグレードキャンペーンを利用したら分割購入と残債のループから抜け出せません。

12ヶ月で機種変更してもauが7ヶ月分は割り引くとは言え、6ヶ月は残債支払いは残るし、それプラス新端末の分割も支払い、それもまた24回払いの分割でダブルで残債が残る。これを一括で払って精算しようとすると、あまりにも障壁が高くて諦めるしかない(人が多い)わけで・・・。結局ループを抜け出すには契約満了までじっと我慢。これしか無い。

それをいかにもオトクそうに言うキャリア・・・。毎年機種変更できるように言うが、結局は無限ループに誘っているだけです。明らかにローン地獄を誘発する罠です。

こんな精神的にも追い込まれる契約をするなら最初に数万払って端末を買うか、一括ゼロ円で一括購入しておいたほうがシンプルで自由度が高いと自分は思う。

※ちなみに、計算式等はあくまで現時点で分かっている事から推察しているので、実際とは違う可能性もあります。
(違った場合、修正していきます)

auのスーパーアップグレードキャンペーンはオトクなのか計算してみた
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