ドコモの2015秋冬モデルの見所はnexus5Xだけ。国産スマホの魅力はいつでるのか?

先日、NTTドコモが2015年秋冬モデルとして、13機種を発表しました。

その内、スマートフォンは10機種もあったのですが、既にグローバルでは発表しているXPERIA Z5シリーズを除くと、「お!!」と思った機種はGoogle nexus5Xのみ。

あとは、4.7インチ~5.3インチ程度のスマホで、どれも特徴が乏しいモデルばかり。

世の中、iPhone6Sだ、Google nexusの新機種だと言っているのに、のほほんとしたモデルばかり並べて、国産スマホとして新しい提案、デザイン、使い道への提案がほぼ無いのは「これでいい」と思っているからなのでしょうか。

かなーり疑問です。ここから書くことは「んなことみんな知ってるよ」と意部分も多々あると思いますが、そういう人はスルーしてください。

新しい提案がない国産メーカー

iPhone6Sでは深押しで利便性が高まる3Dタッチや、動く写真のLive Photosなど、新しい「体験」を求めてきた。これらが実際に使われるかは分からないが、店頭で触った限り3Dタッチはかなり面白い提案だと思う。

Androidの場合、Googleがそれら新しい提案をしなければならないものの、OSレベルのソフトウェア開発ではなくとも、新提案はいくらでもできるだろう。

しかし、そういった「ユーザーへの提案」をしている端末はあまりみかけないし、実際「これはいい」というものも無い。何かビジョンがあってそれを実現する為にハードを強化してという部分は、せいぜいXPERIA Z5 Premiumの4Kディスプレイぐらい。

だがXPERIA Z5 Premiumも、4K表示するのは動画・静止画閲覧時だけで、その他はFull HD表示だと何かで見た。4Kを常時表示するとバッテリーが著しく消費される為だとか。本末転倒とはこのことでハードや新しい機能をどう活かすかまで至っていない部分で、何か考えが浅い気がして悲しい。

スマホはもうある程度ソフトウェアをどうやって研ぎ澄まし、新しい魅力にするかの時代に来ていると思う。iPhone6Sのカメラ性能は1200万画素しかない。先代のiPhone6では800万画素だ。それでも「iPhoneのカメラは綺麗に撮れる」。どこかの国のTV局がカメラをiPhoneに切り替えたそうで・・・それくらい時代はハードではなくソフトの力が試されている。

スペックではiPhoneを圧倒できるAndroid端末が国産メーカーにはたくさんあるのに、勝てない。それはハードとスペック頼みでソフトウェアを疎かにしているからだろう。

iPhoneの後追いをしても何も無い

サイズや外観を見ても、打倒iPhoneとか、Android端末として存在感を示そうという気概は全く感じられない。

テンプレートにはまったかのように、4.7インチ~5.3インチ程度のスマホをラインナップし、「iPhoneのラインナップっぽいAndroidありますよ」と言っているかのよう。

もちろんこのサイズが現在のスタンダードであることは分かるし、マスを狙うと言うことは常道だ。しかし、そこには絶対王者iPhoneが居て、同じ価格ならほぼ全員がiPhoneを買うというような状況では、ジャイアントキリングは生まれない。

Appleと同じ事をしても、ブランド力、デザイン、新しい提案力、ソフトウェアの全てで劣るスマホで勝ち目は無いだろう。

このままでは国産スマホはゆっくり衰退の道しかない

国産メーカーがそれでも生き残っているのは、キャリアが新製品をバンバン買ってくれるからだ。高い金でキャリアが端末を買い、キャリアが宣伝し、キャリアが身銭を切ってまで販売奨励をし、場合によっては0円ですら売ってくれる。

そんな商売のやり方だから、国産スマホは生き残っていける。
逆の言い方をすれば、彼らは【自分の足で立っていない】

彼らを立たせているその負担はすべて文句を言わないドコモ・au・ソフトバンクのユーザーだ。それでも魅力的な端末があるなら構わないが、いつまで経っても出せない。0円で売ってくれているから買う人がいるだけで、中途半端に高い価格のふつーのスマホであれば購入者は激減しているはずだ。

私は以前XPERIA Z4が発売された時にも、「SONYはSIMフリー端末で勝ち上がるべし」と書いているが、成功しているとは言いがたくても、SONYはグローバルで健闘している。日本ではキャリア依存だが、それでもチャレンジしている。Panasonicもキャリアスマホは止めて、グローバルで戦っている。

富士通はらくらくスマホを出して日本の高齢化対策をしているとは思うが、魅力的かという観点では微妙な端末が多い。
会社が傾いてしまっているシャープは、もはやチャレンジする気概もあまり感じない。
3面狭額縁のスマホはちょっといいなと思ったが、これを使って世界に打って出るようなデザインの端末までは作れず。

デザインの感性は人それぞれだから、人によっては「arrowsは良いぞ」という人も居るとは思う。自分も嫌いでは無い。

だが、SIMフリー端末を見渡してみると、やはりデザインも価格もなかなかいいものがごろごろしている。先日発表されたhtcの端末もそうだし、nexusシリーズや、ZenFone、HUAWEIなどの中華スマホも流麗なものが多い。これは多様な価値観に響くデザインでないと売れないからだと思う。

国産メーカーは日本人にだけ売れれば良いし、しかもそこそこなものがあればキャリアは買ってくれる。こんなぬるま湯でやっているから残念なスマホしか出せないのだ。

国産スマホが新規一括で80,000円なら、SIMフリーのGoogle nexus6P 32GB 74,800円のほうを買いますよ。一般の人は知らないだけで。そのnexus6Pですら「74,800円は高い!」と言われる時代です。SIMフリーには探せばLTE対応スマホが1万円台というものもあります。キャリア依存の国産メーカーはよく考えた方が良いですよ。SIMフリー機とは戦えないレベルのスマホを作り続けている(価格に見合わない)なら、キャリアに見捨てられた瞬間に即撤退間違いなし。

画面ちっさくてちょっと重いけどガンガン使っても1週間バッテリーが持つスマホとか、値段はそこそこ高いけどiPhoneよりは遙かにかっこいいスマホとか、どこかで突き抜けたものがないともう無理でしょう。

自分は本当に国産スマホを応援したいので、勝手ながら厳しい事も書いてますが、少しずつでも誰かが声を上げないとダメだなと思った次第。とドコモも2015年秋冬モデルを見て思いました。

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