左手デバイスメーカーTourBoxがCAMPFIREにてクラウドファンディングしている「TourBox Elite」を使ってみたのでレビューしていきます。
TourBox Eliteの主な特徴
「TourBox Elite」はペンタブ作業や画像/動画編集作業の効率を格段に上げる”左手ツール”と呼ばれる異色のデバイス。米国等では既に発売されていましたが、日本でもソフトウェアを日本語対応するなどしてクラウドファンディングCAMPFIREにて発売されました。
TourBox Eliteは何かと言うと、ペンタブを使うイラストレーターや、動画/画像編集者が使うアプリケーションにおいて、左手にこのTourBox Eliteを置いてマウス操作等の代替をさせるアイテムです。
ノブを回せばブラシの大小/キャンバス自体の回転、拡大縮小といった作業を右手のペンは持ったまま左手だけでシームレスに行えます。
決してうっとりするようなデザインではありませんが、11個のボタン、ノブ、ダイヤルはそれぞれ形が異なり、ボタンをいちいち見なくても手触りだけでどの作業のショートカットに割り当てられているのか分かるようになっています。つまり見た目のデザイン優先ではなく、人間本位のデザインというわけです。
画像編集ソフトウェアではLightroom、Camera Raw、Capture Oneなどに対応し、ノブを回転させるだけで露光、コントラスト、シャドウ、ハイライトなどあらゆるパラメーターの調整ができます。以下を見れば直感的な作業が簡単にできることがイメージしやすいかと思います。
いちいちマウスで微調整しなくても、直感的に露光/色合い/コントラスト/シャドウ等を決める事ができますし、動画編集もタイムラインの伸縮、コマ送り/戻しもノブやダイヤルでプロ機材並みに直感で操作できるので、「面倒だな」と思っていた作業をサクサクと進めることができちゃう。
また、ハプティクスフィードバックというモーターを内蔵しているので、ダイヤルやノブ等を回転させる際に、振動を与えて感覚的に回転幅を知ることができます。またこのモーターの調整も設定で変えられるという念の入れよう。
*TourBox様からお借りしてのレビューです。
開梱と外観
パッケージは至ってシンプル。ただこのパッケージはクラウドファンディングキャンペーンにてパッケージデザインを募集している関係で、出荷版は変更となります。
付属品は、キャリングケース、電池、USB Type-Cケーブルとマニュアル。
マニュアルは英語版でしたが、クラファンで提供されるものは恐らく日本語マニュアルとなるはずです。
TourBox Eliteを上面から見たところ。スモークブラックというカラーで、うっすらスケルトンになっています。
多数のボタンとノブがごちゃっと配置されていますが、ボタンごとに押し心地やクリック感が変わっていたりして、非常に芸が細かい。基本ノールック(ボタンを見ずに)で操作していくものなので、こうした工夫をしていると思いますが、それにしても徹底ぶりが凄い。
側面に1ボタンと背面にUSB Type-C端子があります。
裏側には電源スイッチと、蓋の中には電池が入ります。USB Type-Cはケーブル接続の有線、電池駆動はBluetoothで無線接続が可能です。Bluetoothの良いところは2台までのデバイスで切り替えて使える所。デスクトップPCとサブノートを持っていて、普段は自宅でデスクトップPC、出張とか旅先ではノートPCと切り替えて使う場合、こうした2台接続ができるのは大きなメリットです。
プリセットでもカスタマイズでも自由自在
大きさはちょうど手のひらで包み込めるぐらいで、手を置くとすっと馴染みます。
基本的にはUSB Type-Cケーブルで接続し、あとは専用ソフトウェアであるTourBox Console をインストールして使う事になる。
Adobeのソフトは比較的プリセットがセットされているので、日頃使っているAdobe Lightroomで使ってみました。
やっぱり圧倒的な使い安さ。どのボタンが何に該当するかを覚えるまでは少し大変ですが、慣れればマウス/タッチパッドより確実に使いやすい。
使いづらいなと思ったら、簡単にカスタマイズも可能。ボタンだけでなくマクロだって簡単に組めるので、いくらでもカスタマイズはできる。使い込めば使い込むほど、自分なりの左手デバイスになっていくので、愛着すら湧いちゃうレベル。
ハプティックフィードバックと呼ばれるクリック感ですらオンオフまたは2段階で感度調整が可能。しかもアプリ毎に決められるので、Lightroomではダイヤルでカリカリさせて、Chromeブラウザではさせないでするするとスクロールさせたいと言ったことも”容易に”できてしまいます。
クリエイター向けだけでなくあらゆるアプリを使いやすく
Lightroomのような画像編集ソフトやAdobe系のクリエイター向けアプリばかりでなく、様々なアプリケーションをTourBox Eliteで操作可能です。
例えばChromeブラウザをこのように追加すれば、左手でブラウザスクロールやクリック、コピー&ペースト等々を設定できます。
スクロールも逆方向などにも設定できたり、恐ろしく細かく、そして自分好みに変えられます。
ダイヤルでスクロール設定にすれば、このようにブラウザで記事を読むぐらいなら左手で操作できちゃうわけで、右手でタッチパッド、左手にTourBox Eliteと組み合わせておけば、ブラウジングすらも両手を余り動かす必要がなく殆どの操作が完結してしまいます。
ちなみにプリセットされているもの以外にも、以下のソフトウェアのプリセットはダウンロードが可能です。
基本的にはこちらからダウンロードして、それを更にカスタマイズして使うという感じになりますね。
総括
PCで作業を効率化する方法はいくつもありますが、ほとんどが慣れという名の努力であったり、別のアプリケーションで補完したりというケースでしょう。しかしTourBox Eliteであれば、あらゆるアプリのショートカットが追加できるし、それをボタン/ダイヤル等で一発起動したり、操作性を改善したりできちゃう。
見た目は”なんだこれ”的なデバイスですが、非常に良く考え抜かれた左手デバイスで有能な秘書を得た気分です。
最初は少しとっつきにくい面もありますが、プリセットされているアプリケーションソフトであれば、基本それだけで格段に操作性が上がるし、使いにくければ自分なりのカスタマイズもできる。プリセットされていなくてもアプリを登録すれば自分専用にいかようにも変えられる。どこまでも自由度が高すぎるので何をしたらいいか最初は戸惑いましたが、使いながら「あ、この操作割り当てたいな」と思ったら1個ずつ登録していくと、ExcelとかChromeがぐっと使いやすくなっているのが体感できている自分にまた感動します。
そんな相棒のような不思議な感覚のデバイスです。
クラウドファンディング
TourBox EliteはCAMPFIREにてクラウドファンディング中です。
最安はホワイトとブラックで約2.2万円～となっています。早割での価格で33% OFFとなっていますので、欲しい方はお早めに。
手元に届くのは2022年6月の予定。
CAMPFIRE : TourBox Elite
