Kickstarterでクラウドファンディングしていた小型水中ドローン「CHASING DORY」が届いたので使ってみました。
場所は石垣島です。
CHASING DORYとは
普通のドローンは一般的になりましたが、水中ドローンはまだまだ普及とは言いがたい。SUPやボート、堤防など、釣りやスキューバやる方にとっては「ここの水の中みたら綺麗だろうなぁ」「どうなってんやろ」と興味津々なわけです。
そんな水中ドローンですが、今までは価格が10万円前後と敷居がかなり高かったのですが、「CHASING DORY」はKickstarterで3万円台だったので飛びつきました。(日本のAmazonでは59,800円で一般販売されています)
DORY(ドリー)の良いところは重量1.1kgで247x188x92mmとコンパクトな点。CHASING社曰く「世界最小水中ドローン」と謳っています。
もちろんこれは本体だけで、ケーブル等の付属品も必要ですが、既存の水中ドローンはフルセット持っていくとトランクケース大の大きさになり、とてもSUPに乗せて使う感じではなかったのです。が、このDORYなら買い物カゴにどさっと入れて持っていけば良いぐらいで使い勝手も良いのです。
機能的にも、1080p/f1.6のカメラ、4800mAhのバッテリーで1時間撮影が可能、15mまで潜れる潜行性能など、よほどの事が無い限りこれで充分という仕様です。
廉価なのは訳が有り、コントローラーなしのスマホ操作です。画面にタッチしたまま、左側が向きや前進後退、右側が上下水深となっています。このあたりは安いなりの操作性かもしれません。
以下記事はKickstarterでクラウドファンディング募集のもので、そちらにより詳しく書いてあります。
外観や同梱品
これが実物の外観。前にカメラと左右に250lm(ルーメン)の明るさのライトがある。
背面はこのように充電ケーブル及び中継器となるGPS Wi-Fiブイへの接続ポートとなっています。特段PCに接続できるようなポートやmicroSDスロットがあるわけではなく、撮影データはオンボード16GBのストレージに格納され、スマホアプリ経由でダウンロードすることになります。充電はACアダプタ経由で、もう一つの主要パーツであるGPS Wi-Fiブイへの充電は不要です。フル充電は概ね2時間ほどで完了します。一般的なドローンのように予備バッテリーと交換して使うなんてことはできませんが、撮影時間1時間もあれば、基本的には余裕だと思います。
こちらがDORYと接続して使うGPS Wi-Fiブイ。DORYとは有線接続、コントローラーであるスマホとはWiFi接続し、GPSデータも取得する優れもの。
DORYはこのGPS/WiFiブイとケーブルで繋げて海に浮かべて使用しますが、操作をする自分からは遠く離れる(WiFiが届く距離まで)事が可能です。
これは船やSUP、カヤックからなら問題無いのですが、堤防や砂浜から使った場合、DORYがバッテリー切れになったり、どこかでケーブルが海藻やロープ/岩等に引っかかったら回収不能になることを意味します。
ただブイが浮いているので目視はしやすいし、GPS内蔵なので位置判定も出来るため、最悪の場合は船で回収も可能です。ですが、そうならないように気をつけて場所選びと操作をする必要があるわけです。
それでもこのWiFiブイという発想は見事で、水中は有線、水上はWiFiと分けることで、水中ドローンを「無線化」できるのは実は画期的。例えば同じCHASING社のGRADIUS miniは自分の手元からケーブルが届く範囲までしか撮影できませんが、こうして無線化させられれば、WiFi電波が届く範囲なら自由に撮影ができるわけです。
初水中撮影してみた
早速石垣島でSUP Fishingの合間に使ってみることにしました。
陸上で専用アプリと同期さえしておけば、あとは簡単。GPS/WiFiブイとDORYをケーブル接続すれは勝手に電源が入り、あとは浮かべるだけで準備OK。
浅場で潜らせてみましたが、こんな感じになります。(ブイがひっくり返ってますね)
初めて使ってみた時の水中動画をまとめてみました。
総括 : 性能/使い勝手は充分
正直な感想としては、スマホアプリでの操作性が慣れないと思い通りに動かせないので最初はイライラします。
あと私の場合、SUPからの撮影だったので、操作をするスマホに水が掛かる環境だったのもマイナスでした。防水スマホを使っていたのですが、それでも水滴が付いているとそれが原因でタッチ操作が思い通り動かないというトラブルがありました。これはタオル等で拭き取ってやればいいのですけどね。
撮影時間的に1時間ぐらいしか触れていなかったのですが、最終的にはだんだん慣れてきましたし、回数をこなせば経験値も上がってうまくなっていくと思います。別売りでコントローラーもあるのですが、1.8万円と超高いのでスマホアプリでの操作技術向上を目指します。
撮れている映像は1080p/30fpsで、本来は60fpsぐらい欲しいかなと思っていましたが、水中ではそんなに速い動きはないので、30fpsでも充分綺麗。やや深場でも明るく撮れていますし。
SUPはアンカーで固定していると、ブイとDORYが潮流に乗って離れていったりといろいろと海での使用は注意点が要るなあと思わせる面もありましたが、ブイが浮いているので、「あのあたりにいるのね」と分かりやすいし心配は無かったです。
そしてやはり「良いね」と思わせるのはコンパクトさですね。軽いのでこのサイズならトランクケースにも余裕で入るので出張や旅行にも持って行けるサイズなのが良いです。(ちなみにCHASING社のGRADIUS miniは専用ケースが小型トランクケースぐらいあります)
まだ今回は初回使用だったので、近々行く予定のマレーシアへの出張時に持ち込んで、リゾートの海でも使ってみたいと思います。
私は釣りとかSUPとかしますし、「水中どうなってんの?」とか「魚の生態が見たい!」と欲望があるわけですが、リゾートで家族がシュノーケリングとかダイビングをする際に使ってみるのも良いかもしれませんね。
価格は59,800円ですが、世界最小水中ドローンである点は大きな強みで、それを考えると充分安い価格だと思います。
関連リンク
・公式サイト : CHASING DORY (日本語)
・Amazon販売ページ : CHASING INNOVATION 水中ドローン CHASING DORY