Googleからのアップデートを止められたHUAWEIですが、更にSoCの基本的なライセンスをもっているARM社からも社内通達で取引中止、そしてPanasonicも取引を中止したという報道が入りました。
いよいよ進退極まった状態ですが、打開策はあるのでしょうか?
P30シリーズが発売延期へ
数日前にGoogleが次のHUAWEIの新製品から今後のアップデートはしないとのニュースが流れました。
この流れを受けて、HUAWEI P30 Pro/P30 liteの投入を発表したばかりのdocomoやau/SoftBank、更にMVNOの楽天モバイルなども予約停止&発売延期を発表。Googleは90日の猶予を発表していますが、それより先が見通せない以上、売ってもクレームや返品になる可能性もあるので、それなら状況が見えるまで在庫抱えたほうがマシという事なのでしょう。
HUAWEIとの提携停止の流れが止まらず詰みか?
更に現行CPU/チップセット=SoCの基礎ライセンスを持っている英国ARM社(SoftBank傘下)も、HUAWEIへの取引停止を示唆したようです。ARMも技術は米国の技術もベースとしているようなので、全体的な政治の流れに従った格好。(追記 :既に締結されたライセンスはOKだが、アップデートができない模様)
それだけ米国関連の技術がスマートフォン/タブレット/PCなどでは根幹的なもので、それが多岐に渡って影響していることが分かります。
つづいてPanasonicもHUAWEIとの取引を停止。詳細は不明ですが、バッテリー関連かもしれません。
GoogleからのOS提供が無くなる点に関しては、HUAWEIは「Bプラン」と呼ばれる独自OSへの移行を予定していましたが、ARMライセンスが止められるとHiSiliconのKirin SoCも製造出来なくなるわけですから、スマートフォン/タブレットの分野では製品を作れなくなる事になります。HUAWEIはWindows PCも販売していますが、こちらもチップセットやCPUはIntelかAMDの米国製だし、OSもMicrosoftですから詰んでいます。
中国国内では愛国心高揚も、、、
中国のユーザー達は、この米国のHUAWEI潰しに対抗して「みんなでHUAWEI買おう」という雰囲気が盛り上がっている模様です。
ただそれは数日前の”GoogleからのOS提供無し”までの話であり、SoCが止められたら製品自体を作ることすら出来ないわけですから、買うことすら出来なくなります。(KirinはARMの永久ライセンスを買っているので、そのまま使えるという話もあります)
ただ気持ちは分かりますね。HUAWEIがAppleすら追い抜き世界一のスマートフォンメーカー(現在世界2位)になろうという直前で、まさかの袋叩きにあって「このままならもしかしたら潰れるかも」ぐらいの状態に追い込まれるとは誰も思ってなかったでしょう。日本ならSONYが絶頂期に同じような状況になる感じでしょうかね。
ナショナリズムを抜きにすれば、個人的にはHUAWEIはスマホ/タブレット/PC業界にとって、コスパや製品価値といったものを一段と高めてくれている存在なので、早く元に戻って欲しい所ではあります。
そしてHUAWEIとしても今後できるだけ早い自体の収束を望んでいるでしょうが、事態はHUAWEI社ではなく中国共産党vs米国という国対国の交渉カードとして存在しているので、(恐らく)自身で決められない事が歯がゆい状況かと思います。問題がHUAWEIだけなら、とっとと罰金払って手打ちにしているでしょうし。ただ中国が米国に従わない場合、HUAWEIは確実に窮地に陥ることだけは間違いないので、利害を考えると中国がどこかで折れるしかないわけで、どのような落とし所を考えているか注目です。