Blackviewから新たなブランドとしてOSCALがデビューしましたが、その最初のスマートフォンである「OSCAL C20」をBlackview様よりお借りできましたのでレビューしていきます。
価格が49.99ドルと 5,500円程度で販売されるスマートフォン。この価格なので当然いろいろと制約はあるのですが、どの程度使えるのか試してみました。
OSCAL C20の特徴
OSCAL C20は5,500円程度と非常に低価格で販売されているスマートフォン。
C20は発売済みですが、上位版のC20 Proも予定されています。
ディスプレイは6.088インチで水滴型ノッチを採用。解像度は720×1560のHD+のIPSディスプレイ。比較的低解像度ですが、6インチでHD+ならよほどの高解像度画像とかで無い限り粗さは目立たないはず。このあたりはコストとのバランスとしては正しい判断でしょう。
SoC(CPU)はUNISOC SC7731E 1.3GHz クアッドコアを搭載。
メモリは1GB、ストレージは32GB。CPUは後でベンチマークしていますが、1GB RAMはかなり少なめ。
但しストレージとしてはmicroSD(最大128GB)も使えます。
かなり厳しいスペックの為、OSはAndroid 11 Goを搭載しています。
背面カメラは 3つあるように見えるデザインですが、5MPのシングル。フロント側も2MPカメラを搭載しています。
バッテリーは3380mAhで、USB端子はmicroUSB。このあたりも価格なりのコストダウン。
対応周波数帯は2G/3Gのみ。
2G : B2(1900), B3(1800), B5(850), B8(900)
同梱物
中身を見ていきましょう。
同梱物は、microUSBケーブル、USB充電器、マニュアルです。充電器はこのコンセント形状なので日本では使えません。ただ急速充電も無いのでUSB端子なら5V-1.2A程度がでるものなら何でも良いので、代用はなんとかなりそうですね(100均の充電器でもOKですし)。
マニュアルはそれほど読み込む事は少ないと思いますが、日本語もあります。対応周波数帯的に日本で売ることはあまり考えて無さそうですが、Blackviewとしては日本でも販売はありますし、そうした中でマニュアルはマルチランゲージ化されているのでしょう。
価格的に付いてないかなと思っていたTPUカバーは添付されていました。
外観
それでは本体も見ていきましょう。
6.088インチの水滴型ノッチを採用したディスプレイは50ドル以下のスマホとは思えないぐらい普通に綺麗です。
(もっと輝度が薄暗いとか想像していたのですが、意外と普通)
下部にはmicroUSB端子、スピーカーがあります。microUSB端子なのは残念ですが、ここはさすがにコストやSoC等とのバランスなのでしょうね。
右側には電源/ボリュームボタン。ここは一般的。
イヤホンジャックは上部にあります。
左側には何もありません。
背面は前述のように3カメラあるようにも見えますが、1個だけ5MPのカメラが備わっています。右側の1つはLEDライトなので、左の1つはフェイクのようですね。
バックカバーは当然プラスチック製なのですが、見た目には安っぽさはあまりなく、この価格ではよく頑張っているデザインだと思います。 但し指紋認証リーダーは搭載されていません。
カバーを開ければバッテリーが外れる
SIMスロットが無い事に気付いた方は正解です。OSCAL C20のSIMスロットはカバー内部にあります。
また最近ではバッテリーが外せるスマホはほぼ皆無ですが、OSCAL C20はカバーを外す事でバッテリーも外せます。
1年くらい前に、友人が昔懐かしいASUS ZenFone2 laser(信じられないことにナビ代わりに現役で使っているそう)のバッテリーを交換したいと言いだし、開けたことがありましたが、それと似たような感覚を思い出しました。
カバーを外すとSIM2スロットとmicroSDスロットが現れます。
日本語化とアプリケーション
初期セットアップ時から日本語もあり、以後はしっかりとした日本語で使えます。(OSネイティブだと思いますが)
プリインストールアプリケーション以下のとおり。
殆ど全てがGoogle純正アプリなのでシンプルです。ストレージもRAMも限られているので、あまりインストールしないほうが賢明という事でしょう。
ベンチマークと使用感
SoC(CPU)にUNISOC SC7731E 1.3GHz クアッドコアを搭載しているOSCAL C20をベンチマークでテストしてみました。
まずはGeekBench 5でテストしてみました。シングルコア 68,マルチ 128というスコアです。
が、AnTuTuはインストールすらできず。同じCPUのTECLAST P80H(タブレット)のAnTuTu v8スコアを見ると、4万点程度です。
実際の使用感としては、常に「もっさり」です。
アプリ一覧のドロワーも、ブラウザの起動も、カクカクとした動きで滑らかさはあまりないですね。
カメラやアプリの起動をすると、2秒-3秒ぐらいのラグがあって起動するイメージ。
当然ゲームなんてもってのほか。
このスマホでやりたい事は全てもっさりなので、これがイライラするなら最低でも1万円以上の2021年発売モデルを買うほうが良いでしょう。逆にコスト重視で他を度外視できるならOSCAL C20はアリとも言えます。
カメラ
カメラを使って撮影してみました。
以下は作例です。(クリックすると大きく見ることができます。容量が大きいのでモバイルの方はご注意を。)
撮影モードは一応HDRにしています。
全体的に明るい環境ならそこそこ撮れる。そこそこと言っても輪郭ははっきりとしない写真で全体的にぼやけます。こんなはずはないと設定も触ってみたのですが、殆ど写真の出来は変わりませんでした。(これでSuper Fineという設定)
また中段右のように、明るいのに影があると、影の部分は真っ黒に近い写真になり、厳しい。
下段左は釣りの時に撮影してみたのですが、ルアーのカラーが白飛びしてしまっています。
下段右は一応ポートレートモードがあるので撮ってみた写真ですが、シングルカメラですしポートレートにはなりませんでした。
カメラアプリ自体は一部日本語化されていますが、設定等は英語のままです。
カメラ自体の実力は撮影した写真を見れば一目瞭然で、メモ程度ならOKかと思います。
レビューまとめ
久しぶりに極限のローエンドスマートフォンをレビューしたのですが、カバー開けたり、microUSBであったり、もっさり感など、懐かしさを覚える体験でした。
性能面では超エントリーレベルですが、デザイン面ではOSCAL C20は最近のスマホらしさをもっていて、とても5,500円には見えません。カメラが1個ダミーっぽいのはご愛敬ですが、この価格としてはバックカバー処理も美しくよくできていると感心します。ディスプレイもHD+解像度ですが、不満はありません。
OSCAL C20をいろいろ多目的に使うことはRAM1GBとこのCPUではかなり厳しいので、電話、ネット、メール等の基本機能しかほぼ使わないのが正解です。ただそれでもカメラは基本機能の一部だと思うのでもう少しよくなって欲しい所です。
ただ基本機能のみで良いから5,500円程度の価格でスマホが欲しいと方は当然割り切っているでしょう。3Gの速度でOKだし、カメラはおまけでいいから最低限で構わないという方はこのスマホを購入するのが正解だと思います。Oscalもある程度そうした方を見込んでのこのスペックでしょう。
ただOSCAL C20には兄貴分のOSCAL C20 Proが発売される予定です。そちらはRAM 2GB、CPUはUNISOC SC9863A、4G LTE対応、カメラも8MPとなり、単純にCPU/RAMだけでも倍ぐらいの性能になるので、もっさり感等はだいぶ改善されるはずだし、スペック面でもかなり使えるようになってくると予想されます。C20ではさすがになぁと思った方はC20 Proを狙ってみるのも良いと思います。
価格
価格は前述の通り、BlackviewのAliexpress公式ストアにて49.99ドル=5,593円で発売中です。
この価格は2021年9月15日まで。(通常価格は99.99ドル)
日本への配送は無料です。
Aliexpress公式ストア: Blackview OSCAL C20
関連リンク
・公式サイト : OSCAL C20