SONYのアスペクト比21:9の超縦長スマホ「XPERIA 10 Plus」を1ヶ月ほど使い、良い点といまいちな点をまとめてみました。
前回のレビューはこちらから。
良い点
買って良かったと思う点をまとめました。
21:9のディスプレイは映画/動画にマッチする
初回レビューでも書きましたが、21:9アスペクト比ディスプレイは意外にも良いんですよね。横画面では単に横幅が広がっただけなんですが、端までワイドに見られるので映像の広がりを感じられるんですよ。これ、本当に想像以上に良いんです。
21:9の映像は、NetflixだけでなくYouTube動画も対応し始めたのでこれから増えていくでしょうね。
スターウォーズの新作「スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」などの予告編も21:9で公開されています。
もちろん縦長なので、ニュースを読んだりTwitterなんかの縦長のほうが使いやすいアプリ/ソースでは絶大です。
快適操作&ベンチマーク
SoC(CPU)にSnapdragon636を搭載しているXPERIA 10 Plusですが、操作もとても軽快です。ブラウザーでネット閲覧、カメラでの撮影、動画視聴、電子書籍漫画リーダー、ゲーム等々、私が普段使うアプリでの動作で不満が出ることはありません。
AnTuTuベンチマーク(ver7)では約11.7万点で、性能的には充分ミドルクラス。先代(と言っても良いのかな?)のXPERIA XA2 Ultraが9万点ぐらいですから、着実にパワーアップはしています。
ミドルレンジ機は基本的には基本アプリ系で遅いと感じる事は無く、ネックになるのは3D系の重いゲームだけです。そこに比重を置かなければ、多くの人が不満無く使えるスペックです。
以下、過去のベンチマーク結果との比較。10万点以上なら充分ミドルレンジ。
機種名 | SoC(CPU) | AnTuTu Ver7スコア |
---|---|---|
Xiaomi Mi MIX3 | Snapdragon845 | 298154 |
OnePlus 6T | Snapdragon845 | 296894 |
HUAWEI honor Note10 | Kirin 970 | 212827 |
HUAWEI P20 Pro | Kirin 970 | 210380 |
XPERIA XZ1 Compact | Snapdragon835 | 205788 |
honor 10 | Kirin 970 | 204400 |
HUAWEI honor 9 | Kirin960 | 165134 |
ZenFone5 ZE620KL | Snapdragon636 | 139085 |
ZenFone4 | Snapdragon660 | 137253 |
HUAWEI nova lite3 | Kirin710 | 129074 |
XPERIA 10 Plus | Snapdragon636 | 117822 |
HUAWEI honor8 | Kirin 950 | 97517 |
Ulefone ARMOR 3 | Mediatek Helio P23 MT6763T | 95055 |
XPERIA XA2 Ultra | Snapdragon630 | 90087 |
HUAWEI nova lite 2 | Kirin 659 | 89273 |
UMIDIGI ONE Max | Mediatek Helio P23 | 85236 |
Vernee Active | Mediatek Helio P25 | 79228 |
KOOLNEE K1 Trio | Mediatek Helio P23 | 67080 |
UMIDIGI A1 Pro | Mediatek MT6739 | 45258 |
カメラ
XPERIAではやっとミドルレンジ機でもダブルレンズカメラ化されました。XPERIA 10 Plusでは、背面に12MP+8MPのダブルレンズを備え、12MP側は絞り値f1.8と低照度にも強いレンズを採用しています。
以下作例です。(クリックすると大きく見ることができます。但し容量も大きいのでモバイルの方はご注意を。)
上4枚は景色。下2枚は背景がボケ気味になる「ぼけ」モード(いわゆるポートレートモード)。
昼間の写真に関しては全体的にクリアで力強い派手目の絵になります。1枚目の海の写真なんかは青がより青々しく撮れていて鮮やかです。ただ人によっては強調しすぎ感も若干感じるかも。でも多くの人にとってははっきり/くっきりした写真のほうが好みでしょうから、そういう意味ではとても綺麗に撮れています。
夜っぽく見えているのは実は18時頃の写真で、肉眼では結構真っ暗なのですが、さすがはf1.8のレンズで暗い中でも明るめに撮れています。ただ輪郭はややボケ目かなという気もします。
ぼけモード=ポートレートモードに関しては、”頑張れば”結構良い写真が撮れます。悪い言い方をすると、綺麗な写真を撮るまでは少し大変。Galaxyシリーズのダブルレンズカメラと少し似ていますが、撮影時にぼけモード判定(離れろ/近づけ指令)が入り、一定の距離感でないと背景ぼけ気味の写真が撮れない。今回は相手が静止してくれていますが、人物とかの場合、「もっと離れて」的な指示が入っている間にシャッターチャンスを逃す可能性もあります。これがこちらが考えてる「この構図ならいけるだろ」という感じでもダメという判定になったりして、そういうXPERIA 10 Plusのコツを掴むのにやや時間が掛かります。
また撮影後のリフォーカス(ぼけ位置の調整等)はできず、納得できる写真をその場でしっかりと撮ってくる必要があります。このあたりもうちょっとレベルアップは必要です。
ただ普通にスマホカメラとして見た場合、概ね及第点レベルにはありますし、ミドルレンジ機というのを念頭に入れるとポートレートモードの作り込みもまずまずこんなものという気もしています。(SONYだけに期待値が高すぎた)
日本語もありプリインストールアプリケーションはシンプル
SONYとはいえ海外版なので日本語対応が心配な方もいると思いますが、XPERIAの場合はまず間違いなく日本語があり、このXPERIA 10 Plusも例外ではありません。しっかり日本語化されています。
上記右はプリインストールアプリケーションの一覧です。
NetflixとかFacebook、Booking.comなどのアプリがインストールされていますが、アンインストールもできますので、それほど問題なし。
バッテリーはまずまず
Geekbench 4のバッテリーテストで、Partial Discharge(3時間の放電)モードでテストした結果です。
100% → 50%と、3時間ディスプレイが点いたままでこの減りは悪いというほどではないですが、良くもない結果です。3000mAhというバッテリー容量は最近では決して多い方ではなく、使い方によっては減りは早いと実感出来るかもしれません。
私の場合、通勤で往復2時間程度ネットとKindleで読書して、昼に30分ぐらい使い、夜も2時間ぐらい電子書籍漫画リーダーで読書という使い方ですが、寝る前には残20-25%ぐらいでした。
いまいちな点
電源/ボリュームボタンが物理的に押しづらい。
XPERIA 10 Plusは側面部からボタンが突起物として1mmあるかないかぐらいしか出ていないのです。そのため、ノールックでボリュームいじろうとしても「あれ?どこだ?」みたいに迷う。画面消したくて「電源ボタン、、、あれどこだ?」みたいなのもよくある。慣れもあるだろけど、もうちょっと感覚的に分かりやすくして欲しい所。
ロック解除は指紋認証リーダーで即解除できるので問題ないのですが、その指紋認証リーダーの位置も手探りでは分かりづらい。そのためもう少し凹ませる、突出させるのメリハリを付けてくれれば良いのですが。
もう一つは良い点でも書いたカメラ。ポートレートモードは改善の余地ありで、まだまだ。これからハイエンドのXPERIA 1が発売されてきますが、もう少し快適に撮れないとライバルと戦って行けません。ただXPERIA 1に向けてのスタディモデルとして発売されているのかもしれないと感じています。
レビューまとめ
XPERIA 10 Plusについては「21:9ディスプレイをメリットとして感じられるか」で評価が分かれる所。正直私は懐疑的でしたが使って見て評価一変しました。映画を見たり動画を見るなら19:9より遙かに21:9ディスプレイのほうが迫力や映像の広がりを感じられる。映画などを見なくとも縦に持てばTwitter、ネットなどの「縦スクロール型」のコンテンツは表示行数が増える分明らかに使いやすくなります。
ただこれらはハードが変わった事によるメリットで、カメラのポートレートモードのイケテなさはソフトの成熟が今ひとつであることの現れです。
とは言え、4万円程度のXPERIAミドル機ですから、過度な期待は酷というもの。新しいXPERIAの門出のスマートフォンとしては充分可能性を見せてくれています。
XPERIA 10 Plusの価格
価格はETORENでは41,900円で販売されています。カラーも4色から選択できます。
ETOREN販売ページ : XPERIA 10 Plus I4293
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