SONYの(現時点では)日本未発売スマートフォン『XPERIA XZ2 Compact H8324』のレビュー後編です。
今回は日本語やプリインストールアプリケーションの確認、ベンチマークのスコアはといった基本的な点、そしていつものように外に持ち出してカメラを試してみました。
前回のレビューはこちらから。
日本語化と技適確認
デフォルトでは中国語でしたが、日本語設定もあり、初期セットアップ時から変更できるようになっています。セットアップ後は設定メニューもほぼ全てが完璧に日本語化されています。このあたりはさすがXPERIA。
また技適ですが、こちらは残念ながらありません。SONYの海外製品は技適取得しないのが通例なので仕方ないところです。
プリインストールアプリケーション
以下はプリインストールされているアプリケーションの一覧です。
Google Play(Playストア)やGmailといったGoogleアプリは入っています。ARエフェクトやムービークリエイターといったSONY純正のアプリや、AmazonやAVG Protectionも入ってます。アプリに関しては、下のクラスとなるXA2 Ultraなんかとあまり変わり映えはしませんね。
ベンチマーク結果
XZ2 CompactのSoCはSnapdragon845と最新且つ最高のチップセットです。その実力をAnTuTuベンチマーク ver7で試してみました。結果としては、「265800」と凄い結果になりました。AnTuTuのVer7は2割増しの結果と言われていますが、以前のver6でも212640というスコアに該当することになるので、これはめちゃくちゃハイレベル。
以下比較結果を掲載しましたが、Snapdragon835のXZ1 Compactが205788ですから、約30%ほどスコアが伸びたことになります。
実際の使用感も良好で、当然ながらカメラ、Chromeでブラウジング、ちょっとしたゲーム(ツムツム等のライトなもの)で引っかかったりモタつくことは皆無。ストレスフリーです。
※Ver7の参考結果
機種名 | SoC(CPU) | AnTuTu Ver7スコア |
---|---|---|
XPERIA XZ2 Compact | Snapdragon845 | 265800 |
XPERIA XZ1 Compact | Snapdragon835 | 205788 |
HUAWEI honor 9 | Kirin960 | 165134 |
Elephone U Pro | Snapdragon660 | 140784 |
ZenFone4 | Snapdragon660 | 137253 |
HUAWEI honor8 | Kirin 950 | 97517 |
XPERIA XA2 Ultra | Snapdragon630 | 90087 |
HUAWEI nova lite 2 | Kirin 659 | 89273 |
Vernee Active | Mediatek Helio P25 | 79228 |
KOOLNEE K1 Trio | Mediatek Helio P23 | 67080 |
カメラの実力をXZ1 Compactと比較
XZ2 Compactを外に持ち出して、XZ1 Compactとカメラ性能の比較をしてみました。背面カメラの画素数は共に19MPと変わらないので、実際撮り比べてみないと分かりません。
まずは風景写真から比較してみます。実はぱっと見の写真の出来はほぼ同じぐらいと言って良く、分かりづらいので比較できようにしました。
*スライダーバーを左右に動かすと比較できます。
[twenty20 img1=”36936″ img2=”36937″ offset=”0.5″]設定は全て初期のまま(プレミアムおまかせオート)で撮っています。
風景に関しては、XZ2 Compactのほうが自然な色合い且つ明るく撮れているのが分かります。例えばブルーのビルはXZ1 Compactではややブルーが暗く写っていますが、XZ2 Compactは明るく撮れてます。全体的にXZ1 Compactは色を強く出そうという傾向があり、はっきりとした色合いになる代わりに陰なども暗く写る事が多いです。特にこういった風景では明るいところと光が少ないところがあるわけで、プレミアムおまかせオートだとそれが特に強く感じられます。XZ2 Compactはそういう強引さは少なくなり、明るくくっきりという傾向になり、不満点はほぼ解消されています。
近接ではより綺麗に撮れます。
近接ではXZ1 Compactとは遜色ないレベルで、比較しても差が無いのでXZ2 Compactだけの作例です。
色合いは自然で、カメラが売りの一つであるXPERIA XZシリーズの名に恥じない素晴らしいレベル。2枚目のピンクの花の色合いは見たままを切り取ってきたかのように艶やかです。なんの設定も要らず、簡単にこれぐらいの写真が撮れるのですから、不満点はありません。ですが、やはりここまでの写真が撮れるなら、そしてカメラを売りとするならば、ダブルレンズカメラ化はして欲しかった所です。XZ2 Premiumが背面ダブルレンズカメラの初号機となりますが、どんな味のある写真が撮れるか楽しみです。
表示領域が広く文字が見やすい
XZ1 Compactの4.7インチから5.0インチの縦長ディスプレイになったXZ2 Compact。解像度もHD(1280×720)→フルHD+(2160×1080)にあがってます。解像度に関してはHDで特に粗さは無かったのでXZ2 CompactのフルHD+で良くなったと感じる事は少ないのですが、縦に伸びた分、表示領域が増えた為、ネットニュース等がとても読みやすくなっています。
例えばこのYahooニュースの記事。1画面内の文字数自体はそれほど変わりませんが、文字が大きくなっています。 XZ1 Compactでは「文字ちっさいけどちゃんと読める」レベルでしたが、XZ2 Compactは「違和感なく普通に読める」レベルに上がりました。XZ1 Compactでもフォントを大きくすればべつに問題無いわけですが、縦長ディスプレイならそういうことをしなくても良いレベルになったというのは地味に大きい。
まとめ
●Good
- 5.0インチ の縦長ディスプレイは縦方向表示領域が広がって使いやすい
- ぽっちゃりデザインは意外と持ちやすい(影響が少ない)
- ドコモ(B19)/ソフトバンク(B8)のLTEプラチナバンドに対応
- カメラはXZ1 Compactより進化し、明るく美しく撮れる
- スナドラ845で爆速
- 意外と安い
- 防水コンパクトスマホである点
●Bad
- 重さ168gでXZ1 Compact比で26g増
デザインが一新されたXZ2 Compactですが、サイズや厚みのスペック面で見ると心配だったものは手に取って触ればそれが杞憂であることが分かります。ただ重さは169gでXZ1 Compact比で26gも重い。このあたりはXZ1 Compactから移行する方にとっては比較対象があるので重く感じますが、ただ単にXZ2 Compactを持てば、スマホとしては169gは許容範囲(小さいので多少塊感はありますが)。私も最初はずっしりしてんなと感じていましたが、2週間ほど使い続けると違和感は無くなりました。
それよりも大きいのは表示領域が縦方向に大きくなった事で、ネットニュースやTwitter等の縦方向情報量が増え、明らかに使いやすくなっています。もちろんこれは縦長ディスプレイを搭載するスマホ全てに当てはまる事ではありますが、もともとディスプレイサイズが小さいXZ1 Compactから乗り換えるとこの効果は大きい。
性能的にもSnapdragon845はベンチマーク結果からも使用感からも爆速です。ただこのあたりはSnapdragon835を搭載しているXZ1 Compactでも同じで、私のような重いゲームをしないユーザーにとってXZ2 Compactだから素晴らしく何かが変わると言う事ははありません。それでも最新のコンパクトモンスター、小さいけど凄いやつを使っているという物欲は間違いなく満たしてくれます。
海外SIMフリー版ですが、ドコモ/ソフトバンクの4Gプラチナバンドに対応してますし、価格もスナドラ845という事を考えれば600ドル前半で買えるのは安いと言えます。
個人的に、XZ2 Compactには余り期待してなかったのです。「コンパクトが良さなのに太く重くなって、強みを消してどうするんや」と。でも使ってみれば、重さもまずまず慣れるし、太さは手に馴染むし、ディスプレイは縦長は見やすい。「あれ?これいいやん」と思えるようになりました。XZ1 Compactからの移行を考えている方、これはアリですよ。
XPERIA XZ2 H8296 の価格
ETORENでの販売価格は635ドル(68365円)です。(ETORENの場合は輸入消費税込み)但し価格は為替とセールで随時変更となりますので、最新価格はETORENでご確認ください。
・ETOREN販売ページ: Xperia XZ2 Compact H8324 64GB
ETORENだと輸入消費税がかからない(価格に含まれている)から総額も安く、その上、日本人スタッフ対応や、修理の際は国内の拠点に送るだけでいいなどのメリットがあり、サービスと総額のトータルで見るとETORENはオススメです。
ETORENについての細かい点は下部にある関連記事をご覧下さい。
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