手のひらサイズながらも、第11世代のIntel Core i7-11390Hを搭載したミニPC「GEEKOM Mini IT11」を使ってみました。
GEEKOM Mini IT11 ミニPCの特徴
GEEKOMは日本に参入を果たした台湾に開発拠点を持つミニPCメーカーです。全体的にスペックが高く、その割に価格が安いのが大きく特徴。そしてこのGEEKOM Mini IT11は冒頭にも書いたように、 第11世代のIntel Core i7 11390Hを搭載したミニPCとなっていて、16GB RAM+1TB PCIe SSD搭載で5万円台前半と恐ろしいハイコスパです。
Core i7 11390Hは、4コア8スレッド最大クロックが5.0GHzとなり、性能も一気にアップしました。例えば前世代Core i7 10810Uとは性能面で15%程度性能が上がっています。
メモリ+ストレージ構成は上に書いたように32GB RAM +1TB SSDという構成。
RAMは16GBx2のデュアルチャンネルですが、最大32GBx2の64GBまで換装可能。SSDもPCIe MVNe SSDを2TBまで換装可能。
ストレージに関しては、更に2.5インチのSATA SSD/HDDが増設可能なので、容量に不満があるなら増やす事ができます。容量としては最大2TBまで可能。
拡張ポート類も以下のように豊富です。
USB Type-C、miniD、HDMIとディスプレイ出力ポートが4つある為、この小さい筐体にもかかわらず、4つのディスプレイでマルチディスプレイも可能です。
- RJ45 LAN イーサーネット(有線LAN) x1
- USB 3.0 Gen2 x3
- USB Type-C x2
- SDカードリーダー
- HDMI2.0 x1
- mini DisplayPort x1
- 3.5mmイヤホンジャック/マイク
*GEEKOM様よりお借りしてのレビューです。
主要スペック
製品名 | GEEKOM Mini IT11 |
ディスプレイ | – |
CPU | Intel Core i7-11390H 4コア8スレッド Max 4.7GHz
GPU: Intel Iris Xe |
メモリ | DDR4 16GB *最大64GB |
ストレージ容量 | 1TB M.2 2280 PCIe(NVMe) SSD*最大 2TB2.5インチSSD/HDD増設可(7mm) *最大 2TB |
OS | Windows11 Pro |
カメラ | – |
ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (WiFi6) Bluetooth 5.2 |
インターフェース | RJ45 LAN イーサーネット(有線LAN) x1 USB 3.0 Gen2 x3 USB Type-C x2 SDカードリーダー HDMI2.0 x1 mini DisplayPort x1 3.5mmイヤホンジャック/マイク |
バッテリー/急速充電 | – |
重量 | 564.9g |
サイズ | 112 x 117 x45.6 mm |
梱物と本体周り
同梱物は、ACアダプタ、HDMIケーブル、マニュアル、ネジ一式、VESAブラケットです。
ACアダプタは日本で使えるコンセントタイプですが、3pinのタイプでそのままでは挿せないケースも多いと思います。可能なら変換コネクタを添付しておいてくれると良いのですけどね。
マニュアルは基本図解で、多言語仕様で日本語もあり、分かりやすい。
前面には電源ボタンとUSB 3.0、USB Type-C。このType CはUSB4となっていて、映像出力対応です。
側面は放熱スリットが入っています。またケンジントンロックと、SDカードリーダーも配置され無駄がない。
面にはUSB 3.0×2,USB Type-C(USB4)、LAN、HDMI,mini DisplayPort、DCジャックがある。
配置は比較的余裕があり、コネクタによっては干渉しやすいミニPCですが、実際使ってみても干渉はなく余裕のある配置でした。但しこのUSB4(USB Type-C)はPDには非対応でACアダプタを使っての給電のみとなります。このあたりはちょっともったいないですね。
本体は564g程度と軽量。サイズも112mm x117mm x 45.6mm角とコンパクト。
裏のネジx4を取り外すと簡単に内部に簡単にアクセスできます。メモリとSSD共にはLexor製でした。
メモリは16GB x2 のデュアルチャネル。
換装すれば64GBまで可能ですが、デフォルトで32GBも搭載されていればかなり余裕があります。
外した蓋側に、2.5インチSSD/HDDが増設可能です。コネクタもケーブルも繋がっている為、あとはSSD/HDDを入れて付属のネジで固定するだけでOKなのは楽です。
Windows11 Pro 日本語版
初期設定時から日本語がちゃんと選べます。
OSもWindows11 Proで、個人使用であればHomeでも問題無いのですが、企業のサーバードメインにログインする際にはProが必須の為、そうした用途でも使う可能性があるなら助かりますね。
ディスプレイ裏にマウント
付属のブラケットを使って、ディスプレイ背面に取り付けてみました。
VESAマウントの上部か下部のうちの2点のネジ穴を使って、付属ネジにてこのようにコンパクトにマウントできます。
ベンチマーク
GEEKOM IT11の実力をベンチマークで試してみました。
まずはCrystalDisk Mark。1TB PCIe MVNe SSDを搭載しているのですが、結果は以下の通り。
シーケンシャルリードで3347.35MB/sとNVMe PCIe SSDとしてもかなり高速です。実際起動も電源オンから15秒程度でデスクトップ表示と高速です。
続いてgeekbench 6.1.0のスコア。シングルコア 2039,マルチコア 5755,OpenCL 10560というスコアです。
シングルコアのスコアはRyzen7 5800,Core i7 12700あたり近いスコア。マルチコアの5755はちょっと低く、Ryzen7 4800Hあたりとなります。このあたりは12世代Core i7になるとぐっと上がるのですが、11世代ではマルチが弱くなっています。
グラフィックは、Intel IrisXとなっていて、さすがにOpenCLの10560は厳しい結果。それでも以前のGeForece GTX960M程度はあり、オンボードGPUとしてはそこそこ悪くはない。
一応FF15ベンチをためしてみましたが、結果は”動作困難”でした。
FF15ぐらいだとカクカクしてしまいますが、ストリートファイター6,FORTNITEぐらいはサクサクとした動作が可能でした。
全体のパフォーマンスは高く使いやすい
GEEKOM IT11の得意分野はゲームではないので、あまり意味は無いかも知れませんが、それでもよほどGPU負荷が高いものでなければちゃんと動くのは汎用性がでますし有り難いですね。
また、Webブラウジング、NetFlix等の動画配信サービス、Office系文章作成は至って快適です。
そして静音で、リビングのTV裏に取り付けても音が気になる事もなく邪魔にならないのが良いところですね。
WiFi6対応の為、ネット速度も非常に速く体感での快適感は抜群。普通にハイエンドデスクトップPCを触っているのと変わりません。
まとめ
GEEKOM IT11は32GB+1TB版でセール価格5.2万円程度で販売されています。
普通に、Core i7 11390H、32GB RAM、1TB PCIe SSD、Win11 ProがプリインストールされているPCとしては普通に破格値です。
今回レビューしたCore i7 11390H+32GB RAMという構成は、スペックを見ただけでサクサクとした動作は間違いない所ですが、実際にもExcel、PowerPointといったOffice文書作成、ブラウジングなどは快適に動作し、全く不満が無いレベル。
非常に汎用性の高いUSB4(USB Type-C)が2つもあり、ディスプレイ出力もできるし、昨今ではケーブルもUSB Type-Cが主体となってきているので手持ちのケーブルが使いやすいのも良いです。ただUSB PD非対応はちょっと残念。
もう一つ残念なのはACアダプタの電源コンセント口が3ピンの為、直接壁コンセントに挿すのは厳しいという点ですかね。100均等で買えるものとはいえ、購入時に環境によってはがっかりする事もあるので変換コネクタ付属を希望します。
ちなみにGEEKOM IT11は、様々なバリエーションがありますが、ミニPCらしくベアボーン(SSD/RAM/OS無し)も選べます。OSの再インストールについてもサポートサイトからダウンロードができるようになっていて、好感が持てます。こうしたサポート体勢がしっかりしているメーカーは意外と少ないんですよね。
GEEKOM Mini IT11の価格
Amazonでは、16GB+512GB版が77,980円の定価に対して、更に33%オフの割引セールを実施中で、51,984円とになっています。
1560ポイントの付与もあります。
そして、更に以下クーポンで10%オフとなります。
10%オフクーポン : BGYBG2FT
5万円に対して10%オフですから、最終の値引き後価格は4万7000円程度まで下がります。