台湾(台北)旅行記 【後編】~故宮博物院は歴史好きなら行くべし!千と千尋の神隠しの舞台!?の九份にも行ってみた

台湾(台北)旅行記 【後編】です。

台北 旅行記 九份

後半は、定番観光で故宮博物院と九份に行き、予想外に良いところ、残念なことなどなど綴ってみました。

位置関係はこんな感じです。

台北 故宮博物院 九份 位置関係

前編はこちら。

台湾(台北)旅行記 【前編】~松山空港が便利 &海鮮火鍋食べ放題と持ち帰り北京ダックが美味い

故宮博物院は歴史マンガの知識で見ると面白い

あまり時間の無い旅だったのですが、市街地からも遠くないので、昨年行きそびれた台北観光のド定番「故宮博物院」に行ってみました。正直全く期待しておらず、「博物院ねぇー。まぁ記念に行ってみるか」ぐらいの気持ち。だって古い美術品とかあまり興味無い。が・・・結論としては中国歴史好きなら行った方が良いです。何故ならキングダム/三国志時代のものがたくさんあるから。想像力が働くなら行くと面白いです。大きな展示では日本語のパネルもあるし。

さて今回の旅は個人的に「挑戦」をテーマにしていて、初MRTとバスに挑戦してみました。本当はタクシーで行けば簡単なんですけどね。お金かかるし。まぁそれよりも現地の人がやっていることを体感してみるのも旅行の楽しみだし、トライトライ。

台湾MRTは日本で言うとSuicaのようなEasyカード(悠遊カード)を買ってチャージして乗る事になります。まずはEasyCard販売機で買う。台北 旅行記 故宮博物院 カードはこんな感じ。
台北 旅行記 故宮博物院 続いてチャージ。日本語が選択できるので安心です。台北 旅行記 故宮博物院

電車とバスでの行き方は故宮博物院の公式ページに日本語で解説が載っています。台北 旅行記 故宮博物院 行き方

私の場合、台北駅から淡水信義線に乗って士林駅に行くだけ。台北 旅行記 故宮博物院

ただ士林駅から通りに出たら故宮博物院と書かれたバス停があるので、バスの番号を間違えなければOK。運賃はさきほどのEASY CARDでOK。但し、乗る際と降りる際、はたまた乗降時両方タッチする方式があるらしく、地元先行者のやり方を見ながら真似ることに。結構このあたりはドキドキですが、故宮博物院を通るバスの運ちゃんは観光客になれているらしくミスっても笑顔でなんとかしてくれるらしい(あとで現地の人に聞いた話)。台北 旅行記 故宮博物院

バスで15分ぐらい乗ると、無事に故宮博物院に着きました。台北 旅行記 故宮博物院

とは言っても「北京語で書いてある展示物とかイミフじゃない?」とか不安になるものですが、故宮博物院では日本語などのオーディオガイドがあり、それをレンタル(150TWD=500円ぐらい)することで各展示物の詳細を聞くことが出来ます。カウンターでは日本語も分かる人がいるので、使い方も軽く説明してくれます。※オーディオガイドレンタルはパスポートと引換になります。オーディオガイドを返却するとパスポートが戻ってくる仕組み。また中に入るにはドリンクなども持ち込めないので、ロッカーに荷物を預ける事になります。台北 旅行記 故宮博物院

オーディオガイドは渡された段階で表示と説明言語が日本語に設定されています。あとは展示物に書かれている番号をタッチすればヘッドホンから日本語の解説が流れてくるという仕組み。7割ぐらいの展示物には番号があるので、それが何かは概ね分かります。

さてオーディオガイド持って中に入ります。最初は「展示物もさらっと見てるだけだと思うし、1-2時間で廻れるんじゃない?」たかをくくってましたが、いやはや全然。トータル4時間ちょいくらい居ました。

ここで一番有名なのは、白菜(翠玉白菜)の翡翠の彫刻。20cmぐらいなのですが、個人的にはあまり感動なし(汗)。白菜は発音が百財に繋がり、財に関する縁起物。更にこの翠玉白菜はキリギリスとイナゴが彫り込んであって、これらは大繁殖するので子孫繁栄の縁起物なんですね。そこはガイドブックなんかにも載っているので事前知識ありで行ったのですが、すげー混んでいるわりには、やや感動が薄い。確かに綺麗なんだけどね。台北 旅行記 故宮博物院

もう一つ故宮博物院の2大有名彫刻の「肉形石」。これは5-6cmですんごく小さい。確かにこれが石なのかと思うと凄いけど、私には造形美とかで感動しないタチなのかも知れない。それよか個人的には次のものが良かった。台北 旅行記 故宮博物院

それは春秋戦国時代、三国志時代のものがたくさん展示されている点。これは戦国時代(紀元前300年ぐらいかな)の玉壁。これまさにキングダムの秦が統一国家になる前の時代のもの。日本は弥生時代で竪穴住居に住み、腰に布巻いただけの時代に、彼らは金属に模様を付けたこんな装飾品を身につけていたのです。台北 旅行記 故宮博物院

これは春秋戦国時代の印鑑でBC300-500年あたりのもの。台北 旅行記 故宮博物院中には姓名が書かれたものもあり、その頃にはこんなものがあるのかと感じ入ってしまいます。マンガのキングダムの時代の人達が使っていたものが目の前にあるというだけで興奮が半端ない。よく考えると日本ではこの頃のものって見ることが殆どできないわけですよね。吉野ヶ里遺跡で弥生時代のものは見れます(行ったこと無いけど)が、文明的なものは少ないはず。でも台湾では簡単にその頃に使われているものを見ることができるわけで、さすが中国4000年の歴史の国。(中国本土ではなく台湾で見れるのは国民党の蒋介石の恩恵なんですけどね)

こちらは楽器。軍隊にあっては合図とか、国家儀礼ではその尊厳さを表すものとして使われたらしいです。どこを叩くかで音階が変わるそうで、大小でも音が違うらしい。台北 旅行記 故宮博物院

こんな三国志時代の中国では楽器があったのに、日本は邪馬台国でやっと農業や蚕で織物業が出来たレベル。その頃の中国には楽器があるという事実を突きつけられると、その当時の国力や文化の差がはっきりしていることが良く分かる。

故宮博物院では、年表も展示していて「その当時ヨーロッパや日本では何があったのか」も分かり、横断的に歴史を再確認してから展示物を見ると、改めて中国の歴史の深さが良く分かる。そういう「その頃日本では」を根底で理解して見れば、「キングダム/三国志時代のものがそこかしこに置いてある」凄さがより感動を与えてくれると思う。

古代だけでなく、近代に至るまでもずっと歴史を感じられる展示品があり、正直ぜんぜん飽きなかった。例えばこの白磁は日本でも名前は有名な景徳鎮で生まれ、11世紀に北宋時代に最盛期を迎えたもの。凄く綺麗です・・・が。台北 旅行記 故宮博物院こうした完璧な美術品に対して、戦国武将でありながらも千利休の弟子で茶道家の古田織部はそれでは面白くないとして、わざわざ十字に割ったものをくっつけて焼き直してみたり、三角形(扇型)の食器などを考案したり、二つと無い崩れた形こそが美しいと、織部焼=瀬戸物のルーツを作った。

参考:織部焼

台北 旅行記 故宮博物院

出典 : コトバンク

これもマンガ「へうげもの」で描かれている事で、そういう知識と合わせて見ると、真っ白で綺麗で完璧なものよりも、日本人はぐにゃっとした一見不完全に見える茶碗のほうに親しみが湧くわけで、古田織部が言わんとすることも分かるなぁと納得してきてしまう。マンガを見て頭の中で納得するのと、実物を見て思うのはやはり全然違うし、すっと腑に落ちるんですよね。

そんなわけでマンガの知識の所ではやたら時間かけて見てしまったので、4時間以上かかってしまいました。全然期待してなかったのに。

故宮博物院の展示物説明は基本中国語ではありますが、その展示の大テーマごとに日本語解説も書いてあったりして分かりやすいし、オーディオガイドもあるので困ることはほぼありません。また、JTBなんかのツアーガイドも結構見るので(中国人のツアーはその何倍もいるのですが)、日本語解説している人が見えたら、近くで聞き耳をたてると良いです。

歴史好きならお勧め。私はもう一度行きたい。

※歴史解説とかは私の個人的な知識なので、多少間違っている事もあるかもしれません。あしからず。

千と千尋の神隠しの舞台(?)がある九份へ

実は帰国予定日に予定がぽっかり空いてしまい(そうなるように仕事を終わらせたんですけど)、少し足を伸ばして、こちらも定番の九份(きゅうふん/ジォウフェン)に行ってみました。

中華民國交通部觀光局 九份

出典 : 中華民國交通部觀光局 

ここも本当は電車で行くつもりだったのですが、時間の関係でタクシーで。台北から50分ぐらいで着きます。電車で行っても、最寄り駅からタクシーで15分ぐらい掛かるので、手間と時間を惜しむなら最初からタクシーが良いです。また、台北市内からもツアーバス(日本語ガイド付)が出ていて、結構割安なのでそちらを利用するのもアリ。ただ私は挑戦がテーマだったので今回はタクシーで妥協しちゃったけど、ツアーは止めました。

さて九份ですが、古い村が提灯とかで飾ってあって幻想的な場所として有名。ただ私が行ったのは昼頃なんで、幻想的かというとそこまでではないですね。上の観光局がだしている写真のような風景が見たければやはり日が暮れてから来るのが良いんでしょう。台北 旅行記 九份

ちょうどここが千と千尋の神隠しのモデルというのがかなり出回っていますが、調べるとジブリは否定しているらしいので、単に似ているからそうに決まっているって話でしょう。でも土産物街はかなり千と千尋の神隠し推しでした。

ただやはり、観光としては良い雰囲気です。台北 旅行記 九份

しかし、あまりにも観光地化されすぎて、個人的にはすぐ飽きました。入り口からこのあたりまで歩いて20分ぐらいあるくのですが、狭い通り道は全て土産物か食べ物屋。そこに店の呼び込み、ツアーガイド&20名団体x複数とかが固まっていてずっと渋滞。空いているという昼間でこれですから、夜とかは半端ない混みようなはず。帰りのタクシーの確保も難しいと思いますし、まぁーここは狭い街に過剰な人数が押しかける大変な場所ですよ。
台北 旅行記 九份こういう写真を家族に見せると「行ってみたい!」というで、機会があれば連れてこようかと思いますが、その際はツアーガイド付きで昼or夜ご飯の店も予約されていて、行き帰りはすぐ座れるバスで来るのが正解でしょうね。

ただ、奥まったところは観光客も少なく、そういう店には看板猫や看板犬も居て、超癒やされます。台北 旅行記 看板猫

角刈りマッサージ師が絶妙

時間軸が変わりますが、故宮博物院で4時間以上歩き回って疲れた私が夕飯も食わずに向かったのは、李炳輝足体養生館西門館

予定外に時間が押しちゃって帰りはタクシーだったのですが、あまりに疲れたのでここに向かってもらいました。

迷わず2時間 1350 TWD(約4000円)の全身コース。いやここはね、昨年も来たんですけど、ガチマッサージで良いんですよ。まずは足湯に入りながら足を洗いつつマッサージ。その後、全身コースでは2Fに上がって頭から足先までがっつり揉みまくりとなります。

まぁー私は昨年もそうだったのですが、なぜか私にはごつい角刈りのおっさんが担当に。この人、めちゃ凄くて(他の人もそうだろうけど)、言葉はお互い分からないんだけど、揉みながら私の顔をじっと見つめているんです。で、少しずつ強めていって「痛い」って時にちょっと私が顔を歪めると「ニヤリ」と笑って、そのちょっと前ぐらいの強さで揉んでくれるのです。つまり、痛いと気持ちいいのギリギリのラインを攻めてくる、ガチのプロ。

普通、2時間もマッサージ時間があって、しかもうつ伏せで寝ながら揉まれたら、疲れとかで寝落ちすることもよくあるのですが、ここは寝られない。ギリッギリの痛い&気持ちいいラインなので、マッサージの強さと「これ以上だと痛いって声が出ちゃう」という緊張感の狭間でドキドキ。でもマッサージとしては極上。角刈りのおっさんもよく2時間、ほぼ休み無しで揉み続けられるなと感心しますし、その技量の高さはマジで素晴らしい。仕事と観光の疲れで体ガタガタでしたが、終わったあとは完全にリセットされます。肩・首・腰が常に硬い私なんですが、凝りという凝りが全て無くなりました。

ここはマッサージとしてはやや高めではあるのですが、中途半端に日本語ガイドブックに載っている日本語OKのマッサージ店よりは遙かにお勧めです。昨年は1つそういう店に行ったのですが、内容はだいたい同じなものの、腕が中途半端で「リラクゼーション」に近い感じでした(日本語できるところは価格も高かったりしますし)。で、翌日に我慢できず李炳輝足体養生館に行ったら最高だったので、今年も行ったという経緯です。女性も来ていましたし、強弱は揉み師に言えば良いことなのですし女性でも安心。(見た感じ女性には女性の揉み師が付いてました)

もしも来年も台湾に来るなら、絶対にリピートします。もし台湾に住んでいたら月1でやりたいぐらい。いや60分コースを週1ぐらいで通うだろうな。

台北旅行記まとめ

前編では持ち帰りで北京ダック食べたり、海鮮火鍋食べ放題で腹一杯まで食べ、後編で観光とかマッサージしてみました。昨年は初台湾と言う事でおもに時間的にですが、守りに入った気持ちから冒険できなかったのですが、今年は時間の許す限り、歩き、外に出て、食べ、見て、感じる旅に仕上げてみました。

予め調べていたのは北京ダック持ち帰りぐらいで、あとは現地で「お。3時間空いた。じゃー故宮博物院行くか」みたいな思いつきで行動した割に、かなり楽しめたと思います。まぁこんなことできるのは一人旅だからこそなんですけどね。うちの奥さん連れていたら多分、タクシーで店行って、タクシーでホテル帰るで終了だと思うし。ひとりだからこそ融通が利くし、行き当たりばったりが楽しい。適当に歩いて「へぇこんな感じなんだ」と現地の人の生活感を多少なりとも感じられたのが良い体験でした。ガイドブックに書いてあることをなぞるのは1回で良いしね。

あまりこうした旅行記はこのブログでは書いていないのですが、また別の国、別の地にもいくと思うので、行けたら感じた事、トライしたことなどはまとめてみようと思います。

いやぁー故宮博物院は期待値が低かったとは言え、思考を刺激されて面白かったです。これはガイドブックとかみても 良さが分からないので「自分の目で見る」事をお勧めします。

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